新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるため、緊急事態宣言の対象エリアが全国に拡大して2週間余り。不要不急の外出自粛要請により、客足が激減した店を救うべく、後日使えるチケットを買って応援する取り組みが広がっている。全国区となったこの支援の形は、高知県のとあるプロジェクトから始まった。

「コロナに負けるな!つながるKOCHIプロジェクト」を立ち上げた林幹郎氏(左)
「コロナに負けるな!つながるKOCHIプロジェクト」を立ち上げた林幹郎氏(左)

 「現在、新型コロナウイルスの影響で、飲食店はもとより多くのお店が困窮(こんきゅう)しています。そこで小さなことで何か支援できないかを考えました」

 2020年3月26日、フェイスブックにこんなメッセージが投稿された。5000円(1000円×5枚)または1万円(2500円×4枚)の応援チケットを購入することで、困窮する店を応援しようという呼びかけだ。

 題して「コロナに負けるな!つながるKOCHIプロジェクト」。飲食店、小売店、サービス業など業種は問わない。チケットの有効期限は発行から半年以内で、ひとつづりでも、1000円、2000円と細かく切って販売してもいい。店独自の割引や特典を追加しても構わない。チケット収入により、店側は当面の運転資金を確保できる。文章は以下のように続いた。

 「大事なことは少額でもお金を流して経済を止めないこと。そしてこの大変な時期を何とか乗り越え、自粛規制が緩和・収束すれば、チケットを使って皆さんの愛するお店にまた来店していただきたい」

チケットは5000円と1万円の2種類ある
チケットは5000円と1万円の2種類ある

 このメッセージを発信したのは、林幹郎氏。高知市でイベント企画・制作会社「ひととコーポレーション」を経営している。プロジェクトのきっかけは「高知県民の台所」が突如、閉鎖されたことだった。

日曜市が中止に「スピード感がとにかく大事」

 目抜き通りに朝どれ野菜や総菜など高知の食がずらりと並ぶ。1690(元禄3)年以来、300年以上の歴史を持ち、近年は観光スポットとしても名高い「日曜市」が新型コロナウイルスの感染拡大により、20年3月8日、15日と2週にわたって中止になった。