リクルートワークス研究所は日本の雇用と報酬に関する研究成果を発表した。今後日本で働く上で、人とのつながりやその関係性の質が非常に重要になっていくと予測。米国などを含む5カ国の調査では、会社に不満を持ちながら転職せずに働き続ける、“会社にぶら下がる日本人”の実態も明らかになった。

幸福なキャリアを築くにはお金以外も大切 ※画像はイメージです(画像提供:LanKogal/Shutterstock.com)
幸福なキャリアを築くにはお金以外も大切 ※画像はイメージです(画像提供:LanKogal/Shutterstock.com)

日本や米国など5カ国の個人と企業の関係性を調査

 リクルートホールディングスの研究機関の1つであるリクルートワークス研究所は2020年3月31日、「日本的雇用はどう変わる? ―個人と企業の新たな関係―」を発表した。雇用という個人と会社との「つながり」に注目した理由は大きく2つ。1つは男性が外で働き、女性は主婦として家族を支えるという伝統的な日本的雇用の在り方が変化し、男性もワークライフバランス、女性もキャリアアップを求めるようになってきたこと。

 もう1つの理由は「孤独・孤立」の広がりだ。OECD(経済協力開発機構)が発表した18年のデータによると、テクノロジーの発達で約14%の仕事が自動化されるという。さらに新型コロナウイルスの影響などさまざまな経済危機が起こる不確実な環境下で、雇用リスクが高まっている。50歳未満の未婚率の高まりや、高齢者世帯の独り暮らしなど、世の中的にも人々のつながりの希薄化が進みつつある。

 「ここ20年で一人ひとりが自分らしく生きるという意識が高まり、多様な働き方が進んだことを受け、もう一歩先の日本社会の未来像を探りたいという目的で、今回のプロジェクトを発足させた」(リクルートワークス研究所次世代社会提言プロジェクトリーダー・主任研究員の中村天江氏)

「これからの時代は、個人がどのようにして、やりがいを感じながら日々楽しく社会への展望が持てるのかが極めて重要になってくる」と話す、リクルートワークス研究所の中村天江氏
「これからの時代は、個人がどのようにして、やりがいを感じながら日々楽しく社会への展望が持てるのかが極めて重要になってくる」と話す、リクルートワークス研究所の中村天江氏

 そこでリクルートワークス研究所は個人と企業の関係性を把握するため、19年12月~20年1月にかけ、日本、米国、フランス、デンマーク、中国の民間企業で雇用されて働く、最終学歴が大学卒業以上の30代、40代を対象にオンラインで調査を実施した。この「5カ国リレーション調査」の有効回答数は、日本621人、米国624人、フランス624人、デンマーク165人、中国629人の合計2663人。主な調査項目は、企業との関係性(雇用契約や労働条件交渉の有無)や、企業やキャリアに対する満足度などだ。

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