JR東日本リテールネット(東京・新宿)は2020年3月21日、原宿駅の新駅舎に「猿田彦珈琲」の新業態を開業した。今後は20年7月までにJR東日本の12駅でエキュートをはじめとしたエキナカ商業施設の刷新と新規開業を進めていく。
「売店しかなかった」原宿駅にカフェを開業
原宿駅は木造の旧駅舎の老朽化に伴い、20年3月21日から新駅舎を利用している。その駅舎の2階に開業したのが「猿田彦珈琲 The Bridge(ザ ブリッジ)」だ。同店を手掛けるのはコーヒー専門店の猿田彦珈琲(東京・渋谷)。店舗立ち上げと同時に新たなコーヒーのブランド「The Bridge」も発表した。高級豆として知られるゲイシャ品種を使ったコーヒーや、ウイスキーの樽(たる)で寝かせた後に焙煎(ばいせん)したバレルエイジドコーヒーなどを同店限定で提供する。
店内は日本の路地をイメージし、日本らしさを感じさせる色使いでまとめた。全140席と駅直結のカフェとしてはかなりの規模だ。「旧駅舎には売店しかなかったので、待ち合わせなどに利用できる場所が必要だと考えた」と、店舗の開発を担当したJR東日本リテールネット デベロッパー営業部リーシング課兼新規開発PTの寺迫浩司次長は話す。さらに「原宿駅は若年層の利用者が多いユニークな駅。訪日客も多く訪れている。ターゲットと新しい取り組みにチャレンジしたいという猿田彦珈琲の方針が合致した」(寺迫次長)。
ジャンルを絞った「エキュートエディション」に注力
JR東日本リテールネットは05年3月に大宮駅にエキュート1号店を開業した。改札から出ずに手土産や弁当が買える利便性を訴求し、「エキナカ」というマーケットをつくってきた。また、開業当初からキャッシュレス決済を採用している。乗り換えなど時間が限られる中、現金をやりとりせずに買い物ができるのは利用者にとって大きなメリットだ。
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