携帯電話業界最大の見本市イベント「MWC Barcelona 2020」が中止となったことで、中国の華為技術(ファーウェイ)ほか各社がネットのライブ配信で新製品を発表した。米クアルコムの発表では、楽天の三木谷浩史会長兼社長も登場。5G時代を展望する上で重要なトピックを紹介していこう。
米制裁でグーグル離れを決断したファーウェイ
新型コロナウイルスの影響で中止に追い込まれた、携帯電話業界最大の見本市イベント「MWC(Mobile World Congress)Barcelona 2020」。イベントの中止によって各社は発表予定だった新製品やサービスのアピールの場を失った。その代替として各社はオンラインでの発表イベントを相次いで実施している。
2020年2月24日に、オンライン発表会を実施したのがファーウェイである。19年のMWC Barcelonaでは、折り畳み型のスマートフォン「HUAWEI Mate X」を発表して大きな話題を呼んだ同社だが、今回の発表会でも盛りだくさんの発表内容だった。
最も関心を集めたのは、やはり5Gに対応した折り畳みスマホの後継モデル「HUAWEI Mate Xs」だろう。閉じた状態で6.6インチ、開くと8インチのディスプレーサイズになるなど、サイズ的にはMate Xと大きく変わっていないが、チップセットに5Gモデム内蔵型の「Kirin 990」を搭載するなどして性能を向上させている。販売する国や地域は未定だが、価格は2499ユーロ(約30万円)と、高額であることは変わらないようだ。
ファーウェイが発表したのはスマホだけではない。この他にも5G対応の新製品として、10.8インチディスプレー搭載のタブレット「HUAWEI MatePad Pro 5G」や、据え置き型のWi-Fiルーターの「HUAWEI 5G CPE Pro 2」などを発表。
それ以外にも、ノートパソコン「HUAWEI MateBook X Pro」「HUAWEI MateBook D」シリーズの新モデルや、独自の「Wi-Fi 6+」規格に対応した初のWi-Fiルーター「HUAWEI Wi-Fi AX3」などを発表している。またスマホの新しいフラッグシップモデル「HUAWEI P40」シリーズを、20年3月26日にフランス・パリで発表することも明らかにされた。
そしてある意味、ファーウェイの戦略を見る上で最も注目されるのは、独自の「Huawei Mobile Services」(HMS)に関する発表である。これはAndroidスマホに向け、米グーグルのアプリやサービスをまとめて提供する「Google Mobile Services」(GMS)のファーウェイ版というべきもの。米国の制裁を受け、スマホなどにGMSの搭載ができない同社にとって、実質的にその代替となるものだ。
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