ソニーモバイルコミュニケーションズは2020年2月24日、YouTubeで新製品発表会を実施し、5Gに対応したスマートフォンのフラッグシップモデル「Xperia 1 II」など2機種、映像のプロに向けた5G対応スマホ「Xperia PRO」を発表した。各機種から見える狙いは「5G+高精細映像」による新市場開拓だ。
初の5Gスマホは「α」の技術でカメラに注力
スペイン・バルセロナで開催される予定だった「MWC(Mobile World Congress)Barcelona 2020」で新製品発表会を実施するはずだったソニーモバイルコミュニケーションズ。だが新型コロナウイルスの影響で同イベントは中止となった。その代わりとして20年2月24日にYouTubeでのライブ配信による新製品発表を実施した。
そこで発表されたのはスマホ3機種。そのうち1機種は「Xperia 1 II(エクスペリア・ワン・マークツー)」。これは2019年に発売された「Xperia 1」の後継機で、次世代モバイル通信の「5G」に対応した新しいフラッグシップモデルとなる。日本を含む国・地域で今春以降の発売が予定されているという。
Xperia 1から大きく進化したポイントの1つがカメラで、1200万画素の広角、超広角、望遠カメラの3つに加え、新たに被写体との距離を測る3D iToFセンサーを搭載した4眼カメラ構造を採用。さらにレンズには独カール・ツァイスの「ZEISS T*」コーティングが施されたレンズでよりクリアな撮影を実現できるとしている。
またXperia 1 IIには、ソニーの一眼レフカメラ「α(アルファ)」で培った技術をふんだんに採用している。AF(オートフォーカス)/AE(自動露出)が追従して秒間20コマの高速連写ができる機能や、人物だけでなく動物の瞳にも対応したリアルタイム瞳AF機能、暗い場所でも検知できる3D iToFセンサーを活用した高感度撮影など、従来のスマホでは実現できなかった撮影機能も実現。αシリーズの操作感を取り入れ、一眼レフカメラのような本格的な撮影体験ができる専用のアプリ「Photography Pro」も使える。
もちろんXperia 1 IIは、Xperia 1の特徴であった21:9比率の4K有機ELディスプレーを採用しており、映画の視聴や、映画クオリティーの撮影ができる仕組みもしっかり継承。オーディオにこだわるユーザーに向け、あえてイヤホン端子も復活させており、それでいて薄さは7.9mmと、Xperia 1より0.3mm薄くなっている。
性能的にも5Gの搭載だけでなく、ハイエンド向けの高性能チップセット「Snapdragon 865」を採用することで、映像や写真のアップロードやオンラインのゲームプレイまで快適にこなせる仕様を実現している。Xperiaシリーズは現在、万人受けする端末を目指すのではなく、特定の分野に強いこだわりを持つユーザーに応えることを重視していることから、そうした“こだわり”に応えた進化を進めている様子がうかがえる。
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