あの「ハテナブロック」が、米国に上陸した。大阪のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」が2020年2月19日(日本時間20日)、ニューヨークで、新エリア「SUPER NINTENDO WORLD(スーパー・ニンテンドー・ワールド)」のプロモーションイベントを展開。約1000人がマリオになり切り、ハテナブロックをたたきまくった。その狙いを現地で追った。
SUPER NINTENDO WORLDは世界初の「任天堂エリア」として20年夏、東京オリンピック・パラリンピック開幕前にオープンする予定だ。総投資額は600億円超。「ハリー・ポッターエリア」の約450億円を上回り、USJ史上過去最高の投資額になる。
運営企業のユー・エス・ジェイ(大阪市)にとって、海外で新エリアのプロモーションイベントを開催するのは初めて。それだけに、同社の意気込みが伝わる豪華な内容だった。
イベント名は「SUPER NINTENDO WORLD CHALLENGE」。ニューヨークのマンハッタン中心部にある名所グランドセントラル駅内に、任天堂の人気ゲーム「スーパーマリオ」シリーズに登場する「ハテナブロック」を多数配置。ゲーム内の「ボーナスステージ」をほうふつとさせるつくりで、ゲーム中のようにブロックをたたき、「マリオ」になった体験を得られるようにした。イベントは昼前から夕方まで催され、事前に申し込んだ延べ1000人ほどが参加したという。
イベント開始前、米ユニバーサル・パークス&リゾーツ国際事業担当プレジデントCOO(最高執行責任者)のペイジ・トンプソン氏が登壇。SUPER NINTENDO WORLDはUSJのみならず、世界中のユニバーサルスタジオで展開する重要なプロジェクトだと強調した。USJを皮切りに、米ハリウッド(Universal Studios Hollywood)や米オーランド(Universal Orlando Resort)、シンガポール(Universal Studios Singapore)でオープンさせていく予定である。
この新エリアでは、スーパーマリオシリーズでおなじみの建物や乗り物、キャラクターをテーマにしたアトラクションやレストランなどを展開する。例えば、マリオカートのアトラクションや、恐竜キャラクター「ヨッシー」の背中に乗るファミリー向けのライドアトラクションを準備中だ。中でもマリオカートは、「革新的な技術を盛り込んだもの」(トンプソン氏)と胸を張った。
スマホ付きグローブでハテナブロックをたたきまくる
イベントは大きく2つの独立した体験で構成されていた。まず、“グローブ”を装着し、マリオになった気分で空中にぶら下がったハテナブロックをたたく。するとゲーム内と同じ効果音が鳴り、コインが獲得できるという、没入感を高める仕組みを設けた。
グローブにはスマートフォンが取り付けられており、その画面にブロックをたたいて獲得したコインの枚数などが表示された。実際のSUPER NINTENDO WORLDでは、スマートフォンのほかに専用の腕輪型端末「パワーアップバンド」を組み合わせて遊ぶが、今回のイベントでは同端末を利用しなかった(関連記事「USJ『任天堂エリア』はスマホと連動 マリオになって冒険できる」)。
2つ目が、参加者への賞品抽選会である。ハテナブロックをたたくと、ランダムで賞品を得られる。グローブ内のスマホ画面に「ゴールデンマッシュルーム(金色のキノコ)」が表示されれば、SUPER NINTENDO WORLDの先行体験を含む日本旅行の権利が得られる。1人だけでなく、複数人が当選したようだ。抽選にはハズレはなく、日本旅行の権利が当たらなかった参加者にも全員、マリオグッズなど何らかの景品をプレゼントする「大盤振る舞い」だった。
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