eスポーツや実況配信が広がって、ゲームはプレーする人も見る人も増えている。そんな中、ゲームを広告媒体と捉える企業も増えてきた。ただし、あざといやり方は逆効果。ゲームの内容を踏まえ、臨場感を高めるような広告が受け入れられる。日本コカ・コーラやローソン、江崎グリコの取り組みとは?

「eBASEBALL プロリーグ」の実況解説ブースには、パートナー企業のロゴマークが入ったパネルが設置された
「eBASEBALL プロリーグ」の実況解説ブースには、パートナー企業のロゴマークが入ったパネルが設置された

 eスポーツが隆盛を迎え、サッカーや野球などのスポーツ分野ではリアルなスポーツとは別に、eスポーツにおけるプロリーグも成立するようになった。

 日本野球機構(NPB)とコナミデジタルエンタテインメントが2018年から共催している「eBASEBALL プロリーグ」はまさにもう1つのプロ野球。『実況パワフルプロ野球』シリーズを使用し、リアルなプロ野球同様に、「e日本シリーズ」で日本一を決定する本格的な大会だ。

 19年1月に開催された2018-19シーズンのe日本シリーズでは、プロ野球の日本シリーズと同様に三井住友銀行(SMBC)が冠スポンサーを務めたことが話題となったが、2年目となる20年はペナントレースから同社がオフィシャルパートナーとして参加。他に日本コカ・コーラ、ローソン、ハーマンインターナショナルも加わり、企業による注目度の上昇がうかがえた。

ゲーム内広告に一石を投じる新手法

 eスポーツの協賛というと、ステージやインタビュー時の背景パネル、動画配信時の広告へのパートナー企業のロゴ掲出やCM配信が中心だが、20年のeBASEBALL プロリーグでは新たな広告手法も登場した。それは、ゲーム内の球場で、コカ・コーラとローソンの「からあげクン」をさも販売しているがごとく、売り子の声を効果音として盛り込んだことだ。

 eBASEBALLに使われる『実況パワフルプロ野球』は、プロ野球中継と同様に実況解説が入ること、観客の歓声や応援用の鳴り物などの効果音も入っていることでおなじみだ。その中に「コカ・コーラ、いかがですかー」「からあげクン、いかがですかー」と言う売り子の声が鳴り響く。配信では声が小さくて聞こえづらいときもあるが、e日本シリーズを観戦する試合会場ではかなりの音量で聞こえており、これもプロ野球中継をテレビで見ている人と球場で見ている人の差のようで面白い。eBASEBALL プロリーグが野球ゲームを題材に、プロのプレーを観戦するという状況に適した広告だと言えるだろう。

e日本シリーズの会場ではコカ・コーラやローソンのからあげクンを売る売り子の声が頻繁に聞こえた
e日本シリーズの会場ではコカ・コーラやローソンのからあげクンを売る売り子の声が頻繁に聞こえた

 他にも、ゲーム内の球場外野フェンスにはコカ・コーラやローソン、SMBCの看板広告が掲出されており、その看板に打球を直撃させた選手には、商品やグッズなどが贈られたこともプロ野球に近い臨場感を高めていた。なお、e日本シリーズではキャンペーンとして選手だけでなく配信視聴者にも抽選でプレゼントされた。

フェンスの看板に打球を当てると、コカ・コーラ1年分、からあげクン1年分、SMBCのキャラクターのぬいぐるみ「ミニミニミドすけ」が選手に贈られる。e日本シリーズでは視聴者にも獲得のチャンスを設けていた
フェンスの看板に打球を当てると、コカ・コーラ1年分、からあげクン1年分、SMBCのキャラクターのぬいぐるみ「ミニミニミドすけ」が選手に贈られる。e日本シリーズでは視聴者にも獲得のチャンスを設けていた
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