バーチャルユーチューバー(VTuber)を “召喚”できる日本初の謎解きゲームが、「ラゾーナ川崎プラザ」(川崎市)で始まった。AR(拡張現実)アプリに憧れのVTuberを映し出し、協力しながら暗号解読に挑む。ファン向けのイベントと思いきや、商業施設にもメリットがあるという。

専用のARアプリにVTuberを映し出し、謎解きに挑む。暗号を解くヒントは、VTuberがジェスチャーなどで教えてくれる
専用のARアプリにVTuberを映し出し、謎解きに挑む。暗号を解くヒントは、VTuberがジェスチャーなどで教えてくれる

 2020年2月7日、JR川崎駅直結のラゾーナ川崎プラザをフィールドに、バーチャルとリアルが融合した新感覚の謎解きゲームが始まった。

 タイトルは「V×R GAME ―ナゾトキバレンタイン」。VTuberというバーチャルなキャラクターが案内人となり、協力しながら暗号解読に挑む日本初の試みだ。

 必要なのは「SPWN AR(スポーンAR)」という専用アプリのみ。まずは2階のポップアップストア「LAZONA+(ラゾーナプラス)」でオリジナルのクリアファイルを受け取り、中からゲームキットとARマーカーを取り出す。

 その後、館内15カ所に点在するポスターを手がかりに、暗号を解読していく。行き詰まった場合は、ARマーカーをスマートフォンで読み取れば、VTuberが身振り手振りでヒントを教えてくれる。解読した暗号をアプリに入力すれば、次の暗号解読につながる動画が開放される仕組みだ。

 ARマーカーを使わずとも、アプリにVTuberを“召喚”できる隠し機能も用意した。憧れのVTuberと館内全体を冒険する感覚で歩き回り、ゲームクリアを目指すという斬新な仕掛けだ。

バルス所属のVTuber銀河アリスを起用したポスター。こうした暗号を解く手がかりとなるポスターが、ラゾーナ川崎の館内15カ所に点在している
バルス所属のVTuber銀河アリスを起用したポスター。こうした暗号を解く手がかりとなるポスターが、ラゾーナ川崎の館内15カ所に点在している

 このイベントを仕掛けたのは、バルス(Balus、東京・千代田)。リアルとバーチャルの融合を掲げ、全国の劇場や映画館、ライブハウスなど、あらゆる場所にVTuberライブを同時配信できる「SPWN(スポーン)」という遠隔ライブシステムを展開している。

 スポーンとは、英語で生み出す、発生するという意味。スクリーンと音響設備、インターネット回線さえあれば、どこでもライブ会場を生み出せる画期的なインフラで、既に国内だけでなく、タイや上海での上演に成功。バーチャルライブのプラットフォームとして広く活用されている(関連記事「VTuberが同時生ライブで“会えるアイドル”に 関連ビジネスも拡大」「VTuberが東名阪で同時生ライブへ 前売り券は即日完売」)。

 SPWN ARというアプリは、もともとライブ終了後にも熱狂の余韻に浸れるようにと開発した。アプリを通して自宅でもVTuberと“会える”と好評で、その舞台を現実の商業施設に広げたのが、今回の謎解きゲームになる。

ラゾーナ側にもメリットあり

 なぜ、ライブ会場を飛び出し、リアルゲームを企画したのか。バルスのディレクター葛西匠氏は「VTuberの認知度を高めたかった」と話す。

 CMやニュース、バラエティー番組、企業の広報などVTuberの活躍の場は多方面に広がっているが、「まだオタクの中でもかなりニッチな特定の方にしか認知されていない」(葛西氏)。ターミナル駅直結という、ラゾーナ川崎の集客力を生かし、VTuberという存在を一般客にも広めようという作戦だ。

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