日経クロストレンドは、全国小売店の販売データを集計する日経POS情報の食品カテゴリーから、2020年1月の来店客千人当たり販売金額の前年同月比伸び率を抽出。注目は伸び率2位の「畜肉缶詰」。けん引役は70年ぶりにパッケージのリニューアルを発表した「ノザキのコンビーフ」だった。

2020年1月、食品カテゴリーの来店客千人当たり販売金額の前年同月比伸び率トップ5(データは日経POS情報)
2020年1月、食品カテゴリーの来店客千人当たり販売金額の前年同月比伸び率トップ5(データは日経POS情報)

 20年1月の来店客千人当たり販売金額伸び率トップの「紅茶飲料」(前年同月比29.2%増)、同3位の「ココア・チョコレート飲料」(同26.0%増)は19年6月以降、伸び率トップ5に毎月ランクインする、目下好調な売れ行きが継続しているカテゴリー。だが、同2位の「畜肉缶詰」(同28.0%増)は、大型台風が上陸した19年10月こそ非常食としての購入が増えて前年同月比25.7%増と突発的に伸びたものの、19年12月の前年同月比は0.3%減とほぼ横ばい。それが20年1月に再び急増した。

来店客千人当たり販売金額の推移。川商フーズが販売するノザキのコンビーフが急増
来店客千人当たり販売金額の推移。川商フーズが販売するノザキのコンビーフが急増

 1月の畜肉缶詰の伸びは何に起因するのか。商品別に見ると、販売金額のカテゴリートップは加工食品の川商フーズ(東京・千代田)が販売するノザキブランドのコンビーフで、販売金額は前年同月比3.4倍増と急増していた。また、競合に当たる明治屋のコンビーフ、川商フーズの別商品である「ニューコンミート」も“連れ高”した格好だ。

20年1月15日、<a href="https://twitter.com/nozaki1948/status/1217250132506353664" target=_blank>公式Twitterアカウント</a>で枕缶の販売終了を告知
20年1月15日、公式Twitterアカウントで枕缶の販売終了を告知

 ノザキのコンビーフといえば、独特の台形、枕型の缶詰が思い浮かぶ。その枕缶について、川商フーズは20年1月15日、パッケージを70年ぶりにリニューアルするリリースを配信。企業人気アカウントの一つでもある同商品のTwitterアカウントも「大切なお知らせ」として、枕缶の製造終了と、アルミック缶とシール蓋の採用でバリア性と開けやすさを向上させた新パッケージ商品を3月16日から販売することを投稿した。

3月16日から新パッケージにリニューアル(<a href="https://www.instagram.com/p/B7UjGwihSSF/" target=_blank>公式Instagram</a>より)
3月16日から新パッケージにリニューアル(公式Instagramより)

 これが万単位でリツイートされたことで一気に拡散し、「枕缶ロス」を引き起こした。同商品は、付属の「巻き取り鍵」をクルクル回しながら開けるのが特徴で、「開け方を知っているか」「最近、食べているか」は、盛り上がる食品ネタの一つでもあったからだ。そんな経緯からこのニュースは、リニューアル前に一度購入して巻き取り鍵で開けたいというニーズを引き出し、消費者をスーパー店頭に走らせた。

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