2012年に登場した「STORES.jp」は、国内の個人向けネットショップ支援サービスの草分け的な存在。同サイトを運営するヘイ(東京・渋谷)は2020年1月30日、キャッシュレス決済の「Coiney」とSTORES.jpをブランド統合した。統合の狙いや個人のネットショップで起きている変化を佐藤裕介社長に聞いた。

Instagramに15万人を超えるフォロワーを持つ又来綾氏も「STORES」に出店している1人。左は又来氏のInstagram、右は彼女のショップ「STELLA VIANA」のサイト。ショップ名のInstagram(中央)にも2万人を超えるフォロワーがいる
Instagramに15万人を超えるフォロワーを持つ又来綾氏も「STORES」に出店している1人。左は又来氏のInstagram、右は彼女のショップ「STELLA VIANA」のサイト。ショップ名のInstagram(中央)にも2万人を超えるフォロワーがいる

 ネットショップの開設・運営を支援する個人向けサービス「STORES.jp(ストアーズ・ジェー・ピー)」は、クレジットカードや電子マネーに対応した端末を実店舗に提供するキャッシュレス決済サービス「Coiney(コイニー)」とブランド統合し、「STORES(ストアーズ)」となった。これまで両事業を別会社で運営していたが、より密接に連携させる。

 今回の統合についてヘイの佐藤裕介社長は「STORES.jpとCoineyにはオンラインとオフラインという違いがあるが、フォーカスしている層はどちらも個人やスモールビジネス。統合すれば何かしらのシナジーはあると思っていた」と説明する。

サービスブランド統合に伴い、お店のキャッシュレスサービス「Coineyターミナル」ならびに「Coineyスキャン」は「STORESターミナル」へ、「Coineyペイジ」は「STORES請求書決済」へ
サービスブランド統合に伴い、お店のキャッシュレスサービス「Coineyターミナル」ならびに「Coineyスキャン」は「STORESターミナル」へ、「Coineyペイジ」は「STORES請求書決済」へ

 2019年12月の個人向けショップの流通取引総額を6年前と比べると「約30倍になっている」(佐藤氏)。さらに17年のショップ数と現在のショップ数を比べると2倍の規模となっており、着実に成長している。その背景にあるのは、InstagramなどSNSの広がりにより登場してきたカリスマ的な出店者の存在だ。インフルエンサーとして多数のフォロワーを抱え、個人のファッションブランドを立ち上げ、年商が億を超える人もいるという。

 そうしたカリスマ出店者の中には、好調に推移するネットで販売だけでなく、商業施設の一画を借りるポップアップイベントでファンを集めるという取り組みが広がっている。「いまはネットとリアルの両方で営業するのが当たり前になっている」と佐藤氏。アップルやナイキのようにネットショップと実店舗をシームレスに管理できているところもあるが、個人レベルでは手間も時間もコストもかかる。

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