MMDLabo(東京・港)が運営するMMD研究所は、18~69歳の男女4万8208人を対象にスマートフォン決済の利用動向を調査した。この調査結果からは、現金とクレジットカードが決済方法の主流ではあるが、スマホ決済の利用者も順調に増えていることが分かる。
スマホ決済は半年間で15.3ポイント増加、現金派は微減
2019年10月の消費税率引き上げに伴う「キャッシュレス・消費者還元事業」を受けて、キャッシュレス決済の利用者が増加している。MMD研究所の「2020年1月スマートフォン決済利用動向調査」を基に、QRコードと電子マネー(スマホの非接触決済)の調査結果をまとめた。
「あなたが普段のお支払いで利用している支払い方法をすべて教えてください」という問いに対する回答のトップは「現金(91.8%)」。次いで「クレジットカード(73.2%)」「カード型の交通系電子マネー(31.4%)」「スマホ決済(29.6%)」という結果になった。
19年7月の調査と比較すると「現金」は93.0%から1.2ポイント減、「カード型の交通系電子マネー」は29.7%から1.7ポイント増。これに対し「スマホ決済」は14.3%から29.6%と、15.3ポイントも増えている。
QRコード決済はPayPayがダントツ、LINE Payは・・・・・・
QRコード決済のサービス名を知っている人(3万4041人)を対象に認知度の高さを見ると、「100億円キャンペーン」などで注目を集めたPayPay(80.3%)がトップとなった。PayPayはヤフーとソフトバンクおよびソフトバンクグループが共同出資した運営会社PayPay(東京・千代田)のQRコード決済アプリで、19年11月に登録者数は2000万人を突破した。以下は楽天ペイ(63.2%)、LINE Pay(61.3%)、d払い(51.1%)の順となった。
QRコード決済を利用している人は全体(4万8208人)の29.3%(1万4115人)。そのなかで最も利用されているのがPayPay(46.7%)だ。以下、楽天ペイ(16.4%)、d払い(11.8%)、LINE Pay(8.1%)となり、QRコード決済ではPayPayが2位以下を大きく引き離していることが分かる。
一方、QRコード決済の利用を検討している人(2559人)が検討対象に挙げたサービス名はPayPay(57.2%)、楽天ペイ(31.3%)、d払い(19.5%)、LINE Pay(19.3%)の順に。認知度ではd払いを10ポイント近く上回っているLINE Payだが、検討対象としては僅差ながらd払いの後じんを拝することになった。
スマホの電子マネー決済は楽天EdyがSuicaを上回る
スマホの電子マネー決済を利用している人は全体の25.2%(1万2128人)。またサービスをファネル分析で見ると「認知」は80.3%、「内容理解」は56.2%、「利用経験」は28.6%となった。
スマートフォンの電子マネー決済で認知度が高いのは楽天Edy(64.0%)、モバイルSuica(51.7%)、iD(41.4%)の順で、以下QUICPay(33.5%)、nanacoモバイル(32.1%)、モバイルWAON(28.5%)と続く。楽天Edyは「最も利用している」でも「利用を検討している」でもトップだ(各31.5%、43.6%)。
20年春には交通系電子マネーの「PASMO」のアプリ対応が発表されている。関東圏の私鉄などで利用できるPASMOは、ICカードの発行枚数でJR東日本のSuicaに次ぐ2位。19年には発行枚数、加盟店が大幅に増えており、PASMOの参入で電子マネー決済のシェアが大きく変わる可能性もある。
(画像提供/MMDLabo)