アサヒグループ食品は2020年1月29日に同年の事業方針説明会を開き、需要過多で欠品が続いた「アマノフーズ」のフリーズドライ食品の生産力強化や、主力商品「ミンティア」の増能力・生産性向上などのため、21年までに80億円の設備投資を実施することを明らかにした。

アサヒグループ食品の尚山勝男社長が2020事業方針説明会で登壇した
アサヒグループ食品の尚山勝男社長が2020事業方針説明会で登壇した

即席味噌汁でフリーズドライのシェアは約30%まで伸長

 アサヒグループ食品は2016年の事業開始から増収益を続け、19年の売上高は1180億円、事業利益率は約11%を達成する見込みだ。同社の尚山勝男社長は「(粗利益の高い商品と低い商品を組み合わせる)粗利ミックス、原価削減の努力、不振製品の撤退」を成長の要因と分析する。

 その結果、19年の販売実績は主力ブランドの「ミンティア」は前年比109%、フリーズドライ食品の「アマノフーズ」は同105%、「一本満足バー」は同135%、サプリメント「ディアナチュラ」は同110%、18年にブランド統一した介護食「バランス献立」は同124%と軒並み好調だった。

 中でも味噌汁をはじめとするアマノフーズは、フリーズドライ食品市場のシェアで約7割を占める。共働き世帯やシニア世帯からの需要が想定以上で、18年秋から19年夏まで発売休止が続くほどだった。フリーズドライ食品を生産している岡山工場では、「3年前からBtoB製品を撤退してラインを作るなど、(フリーズドライに注力するよう)事業ポートフォリオを変更している」(尚山社長)という。20~21年は需要に対応するため19億円を投資し、フリーズドライ食品を製造する真空凍結乾燥機を現在の16基から3基増設する。年間製造力は19年の3.1億食から21年までに4.2億食を目指す。

 フリーズドライ味噌汁はペースト状の味噌と具が分かれた「生」タイプや、味噌に具が混ざった「練り込み」タイプが主流の即席味噌汁市場で年々存在感を増している。アサヒグループ食品によると、19年の形状別シェアはフリーズドライが27.9%だという。好調の波に乗るため、20年は味噌汁やスープの主力商品を強化し、新規顧客の獲得を狙うと同時に売り場を拡大していく。「もともと通販のみで販売していたが、マーケット拡大にはお客にとっての“買い場”拡大が直結する」と尚山社長は話す。

ミンティア、一本満足バーも市場の成長をけん引

 菓子市場ではガムやグミ、スティックキャンディーが前年比を割り込む中、ミンティアは15年以降伸長を続けている。20年はインバウンド客の増加を見込んで日本らしさをアピールする。コーヒー味や最強レベルの刺激商品などボリューム層の30~50代男性を意識した新製品も投入する予定だ。

 18年10月にタンパク質補給需要に対応した「プロテインバー」シリーズを発売した一本満足バーは、前年比135%と大幅に成長した。19年は83億円を見込むプロテインバー市場で好機を逃さない施策として、20年はスポーツシーンで訴求する。プロテイン摂取意向がある未摂取者を対象に運動状況を調査した結果、ランナーの割合が最も多かったため、タンパク質に加えてランナーが求める栄養素(鉄・カルシウム・亜鉛・マグネシウム)を配合した「プロテイン・ラン」を発売する。

(写真/北川聖恵)