2019年12月、フランス国会で11月に可決された世界初の「モビリティ指針法(フランス語でLOM、loi d’orientation des mobilités)」、いわゆるMaaS法の詳細が公開された。22年までに約1兆6200億円(134億ユーロ)の大型投資が実行される注目の政策転換だ。この知られざるフランスMaaS法の中身とは?
※一部、編集部による意訳、文章の編集を行った部分があります。
フランスで可決されたモビリティ指針法(LOM)はクルマ以外の移動手段を持たない何百万人ものフランス国民への対応、環境汚染や気候変動の緊急事態への対応、フランス国鉄(SNCF)が運行するTGVなどの都市間高速鉄道への過度な投資が日常の交通ニーズに影響を及ぼしていることへの対応、世界的に巻き起こる移動サービス革命への対応などから、以下の大きく3つの柱を掲げている。
【モビリティ指針法(LOM)の3つの柱】
1.日常の交通手段に対して多くの投資を行う点
2.新しいモビリティサービスを促進し、すべてのフランス国民の移動を可能にする点
3.より環境に優しい交通への移行を推進する点
いずれも、複数の交通手段をシームレスに統合するモビリティ革命「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」の潮流を強く意識したものであり、世界でも先進的な取り組みといえる。MaaSの社会実装が進みつつある日本にとっても、フランスのモビリティ指針法からは学ぶべきことが多いはずだ。
そこで今回、国内外の先端MaaS事例や、モビリティ産業と異業種企業の連携モデル、モビリティ起点のスマートシティについて解説した注目の新刊『Beyond MaaS 日本から始まる新モビリティ革命―移動と都市の未来―』の著者の一人である、計量計画研究所理事の牧村和彦氏に監修を依頼。フランスのモビリティ指針法(LOM)公開資料の大部分を翻訳し、分かりやすくパワポ形式でまとめた。
・モビリティ指針法の全文はこちらを確認してください。
・解説記事はこちら(「世界初の『MaaS法』の衝撃 フランスが1兆円超えの大型投資」)
スライドの内容

●本資料について:フランス「モビリティ指針法」(いわゆるMaaS法)関連資料翻訳

●フランス「モビリティ指針法(LOM)」の背景

●フランス「モビリティ指針法(LOM)」の3つの柱
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