“ロンドンタクシー”として知られる英LEVCの車両「TX」が2020年1月10日、日本に上陸した。その車体は、日本のタクシー車両と比べて高いレベルでユニバーサルデザインを実現している。オンデマンドの乗り合いサービスやライドヘイリングなど、急成長するモビリティサービスに求められる車両のヒントが見えた。

2018年からロンドンの街を走り始めたロンドンタクシーの最新モデル「TX」
2018年からロンドンの街を走り始めたロンドンタクシーの最新モデル「TX」

 2018年から英国で走り始めたEVロンドンタクシーが、いよいよ日本にも姿を見せる。LEVCジャパン(東京・渋谷)は2020年1月10日、新型「TX」の国内販売開始を発表した。2月1日より予約注文の受け付けを開始し、6月ごろから納車される予定だ。

 ロンドンタクシーを製造・販売するLEVCは、英国に本拠を置き、歴代ロンドンタクシーを手掛けてきた。13年に中国の浙江吉利控股集団(ジーリーホールディンググループ、以下ジーリー)傘下となった。17年には社名を(London Taxi Company)からLEVC(London Electric Vehicle Company)へと改め、タクシーだけではなく、広く電動(EV)の商用車を手掛けていくことを明確にした。18年1月から19年末までに、すでに3800台以上のTXが生産されており、ロンドンを中心に走っている。

 LEVCの親会社であるジーリーは、スウェーデンのボルボ・カーズや英国のロータス・カーズなどを傘下に収め、近年、世界で大きな存在感を示す巨大グループだ。18年2月には独ダイムラーの約10%の株式を取得し、筆頭株主となって話題になった。LEVCは同グループの商用車部門に位置づけられ、EVを中心とした商用車ラインアップを拡充していく。

サイズは大きいが小回りは得意

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