eスポーツに関心を寄せる自治体が増えてきた。地元のゲームコミュニティーが主催するイベントを支援する富山県、国体の文化プログラムとして都道府県対抗戦を行った茨城県、2020年1月に「東京eスポーツフェスタ」を初開催した東京都など形はさまざまだ。そんななか、埼玉県はeスポーツイベント「Shadowverse World Grand Prix」を後援。都心からのアクセスもいい大宮ソニックシティでの開催は、地方でのeスポーツイベントの新たな可能性を提示した。

大宮ソニックシティで2019年12月27日に開催された「Shadowverse World Grand Prix 2019」(SWGP2019)の様子
大宮ソニックシティで2019年12月27日に開催された「Shadowverse World Grand Prix 2019」(SWGP2019)の様子

 日本で開催されるeスポーツイベントの中でも、優勝賞金1億1000万円と日本最高賞金額を誇るのがCygamesが主催するShadowverse World Grand Prix。スマートフォン向けゲーム『Shadowverse(シャドウバース)』の1年を締めくくる大会だ。18年までは千葉・幕張メッセで開催していたが、19年12月27日の「Shadowverse World Grand Prix 2019 GRAND FINALS」(SWGP2019)は会場を大宮ソニックシティ(さいたま市)に移動。共催として埼玉県産業文化センターが、後援として埼玉県が参加した。

県が後援、地元企業とコラボ

開催地となった大宮ソニックシティ
開催地となった大宮ソニックシティ

 SWGP2019は、18年に開催したSWGP2018と大枠は変わらないものの、イベントとしての立ち位置は大きく変わっている。まず、18年はCygamesの複数のコンテンツが集まる総合イベント「CygamesFes」の一部として開催したのに対し、SWGP2019は単体イベントになったこと。総合イベントの場合、ほかのコンテンツを目的に来た来場者がSWGPも見るというケースが考えられるが、単体イベントでは来場者の目的はSWGPの観戦に限られる。

 もう一つはSWGPの話題性だ。18年はeスポーツチーム「よしもとリバレント」所属のふぇぐ選手が優勝。100万ドル(18年はドル表記)を獲得し、一躍時の人となった。これによって高額賞金がかかる大会として定着。地上波でテレビCMも流れるなど、認知度は格段に高くなっている。

Cygamesの木村唯人専務
Cygamesの木村唯人専務

 Cygamesの木村唯人専務は、SWGP2019の会場が大宮ソニックシティに決まった経緯をこう話す。「『Shadowverse』では、プロチームが戦う『RAGE Shadowverse Pro League』などSWGP2019以外にも観戦を目的としたイベントが定着してきているので、劇場型のアリーナでやりたいと考えていた。さまざまなイベント会場を検討する中で、大宮ソニックシティが候補になった」。

 大宮ソニックシティは、すり鉢型の座席で、観戦しやすく、常設の椅子は長時間観ていても疲れにくい。音響や照明の環境も整っている。また、大宮駅から徒歩5分程度の繁華街にあるのも利点だ。『Shadowverse』には多くのファンがおり、ファンによるコミュニティ-も数多く存在する。大会が終わった後、それらのコミュニティーが交流できる場を探しやすい。

大宮ソニックシティの常設のシートは座り心地が良く、すり鉢状でステージも観やすい。観客にとって快適に観戦することができる
大宮ソニックシティの常設のシートは座り心地が良く、すり鉢状でステージも観やすい。観客にとって快適に観戦することができる

 そうした立地の良さが功を奏したのか、当日は4000人以上が来場した(参加料は無料)。木村氏は、「年末の12月27日、平日での開催にも関わらず、ここまでの人に来てもらえるとは思っていなかった。次回も大宮ソニックシティを開催候補地にしたい」と話す。

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