JR東日本スタートアップは埼玉県の大宮駅西口のスペースで「STARTUP_STATION」を開催した。JR東日本グループの新規事業創造活動「JR東日本スタートアッププログラム2019」で採択したベンチャー企業と推進する新サービスを、実際に体験できるイベントだ。

東京・渋谷のルミネゼロで実施した公開プレゼンテーションの模様。21社から優秀な5社を表彰した。今回は、さらなるオープンイノベーションの推進を狙い、JR西日本・JR九州グループと連携する「エリア拡大」、新潟市の資源を活用する「地域連携」、国際交流拠点を目指す新駅「高輪ゲートウェイ駅」の開業を見据えた「グローバル」の3つの視点を重視した
東京・渋谷のルミネゼロで実施した公開プレゼンテーションの模様。21社から優秀な5社を表彰した。今回は、さらなるオープンイノベーションの推進を狙い、JR西日本・JR九州グループと連携する「エリア拡大」、新潟市の資源を活用する「地域連携」、国際交流拠点を目指す新駅「高輪ゲートウェイ駅」の開業を見据えた「グローバル」の3つの視点を重視した

 プログラムは3回目で、ベンチャー企業からJR東日本の駅や鉄道、経営や情報の資産を活用した新サービスの提案を募る。社内外の有識者を交えて審査後、有望な内容はさらに議論を重ね、駅などで実際にテストマーケティングを展開。本稼働に結び付ける。駅など実証実験できる環境を備える他、資本提携まで結ぶ点が強みだ。

 今回は262件の提案があり、21件を採択。採択した21件で2019年11月28日に東京・渋谷のルミネゼロで公開プレゼンテーションを実施。優秀な5社を表彰した。このうち4社を19年12月4~9日、大宮駅で展示したのが「STARTUP_STATION」だ。

 最優秀賞の「スタートアップ大賞」を獲得したのは「駅とフリーランスドライバーを掛け合わせた手ぶら観光の実現」を提案したCBcloud(東京・千代田)だった。同社が提供するフリーランスのドライバーと荷主をつなぐ配送のマッチングプラットフォーム「PickGo」と、駅の手荷物預かり所を連携させることで旅行者の利便性を向上させるサービスだ。

 既に19年11月より3カ月間の予定で、東京駅の手荷物預かり所から当日中に指定のホテルへ届ける実証実験「エキナカ次世代手荷物配送」を開始。配送先は、都内の山手線周辺と千葉県の舞浜駅周辺のホテルを対象とした。輸送の柔軟性を高め、通常の手荷物預かり所より早い時間から遅い時間まで受け付けて当日配送を実現。既存の運送会社に比べて料金を抑えた他、大型荷物も輸送できる。すぐにサービス化できる点で大賞に選ばれたようだ。

「スタートアップ大賞」を獲得したのはCBcloudによる「駅とフリーランスドライバーを掛け合わせた手ぶら観光の実現」だった
「スタートアップ大賞」を獲得したのはCBcloudによる「駅とフリーランスドライバーを掛け合わせた手ぶら観光の実現」だった
JR東日本スタートアップの柴田裕社長と(左)CBcloudの皆川拓也執行役員
JR東日本スタートアップの柴田裕社長と(左)CBcloudの皆川拓也執行役員

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