2020年5月に成田-バンコク線、成田-ソウル線に就航する格安航空会社(LCC)「ZIPAIR」の機材が公開された。将来的に北米や欧州への長距離路線を運航する予定で、フルサービスキャリアにも引けを取らないシートピッチの普通席の他、LCCとしては珍しいフルフラットシートも用意されている。ただしこれは「ビジネスクラス」ではないと西田真吾社長は話す。
2020年5月14日、日本航空(JAL)が設立した日本初の中長距離LCC「ZIPAIR」が、成田-バンコク線、成田-ソウル線に就航する。就航後1年ほど実績を積み、長時間飛行の安全基準をクリアした後には、北米や欧州などへの長距離路線へ進出する予定。現在、日本からのLCC路線は東南アジアが中心で、ZIPAIRが狙うエリアは空白地帯となっている。運航会社ZIPAIR Tokyo(千葉・成田)の西田真吾社長は「料金はフルサービスキャリアの半分程度を目指す」と話す。これが実現すれば、北米や欧州がぐっと身近となり、新たな需要を生む可能性を秘める。
19年12月、ZIPAIRの機材が一足先に報道公開された。親会社であるJALから中古の大型旅客機ボーイング787を借り受け、LCC仕様に改装したものだ。しかし機内に足を踏み入れると、LCCとは思えない光景が広がっていた。本革のフルフラットシート「ZIP Full-Flat」が18席用意されているからだ。航空機内装品メーカー・ジャムコがビジネスクラス用に開発した座席で、シートピッチは約107センチメートル、座席幅は約51センチメートルとゆったりとしている。スペースを有効活用するために座席を斜めに配置したヘリンボーンタイプで、全席が通路に面している。
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