モノからコトへ大転換――。アサヒビールが2020年の事業方針を発表した。これまで物性訴求だったマーケティング戦略を、情緒に訴えビールの飲用価値をアピールする施策中心に切り替える。他にも女性や若年層など新需要の創出にも注力し、低迷するビールの売り上げ復活を目指す。
15年連続過去最低更新からの起死回生策
アサヒビールの塩澤賢一社長によると、業界全体で2019年のビール系飲料の出荷量が15年連続で過去最低を更新したという。主力の「スーパードライ」や新ジャンルの「クリアアサヒ」「極上<キレ味>」などの主要ブランドに注力したが、悪天候やアルコール市場全体の縮小などの影響で、軒並み前年比でマイナスとなる苦戦を強いられた。
起死回生策として選んだのが「情緒マーケティング戦略」で、主にスーパードライで展開する考えだ。これまでは「スーパードライを楽しむ」ために、商品を主役としたプロモーションだった。これを「スーパードライで楽しむ」というユーザーを主役に据えた施策に切り替える。アサヒビール専務取締役マーケティング本部長の松山一雄氏は、「すべてのタッチングポイントで一貫性のある魅力的なブランド価値を提供していく」と意気込む。
このコンテンツ・機能は有料会員限定です。
- ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
- ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
- ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
- ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー