“昔の妙味”をリスペクトする

 「まんだらけ CoCoo(こくう)」は、古い漫画やフィギュアなどを販売するまんだらけが出店する初のソフビ(※ソフトビニール人形)専門店。70年代に実際に売られていた商品を中心に、ヴィンテージの怪獣から最近のアーティスト作品まで約1万2000点のソフビを扱う。

ずらりと並んだ懐かしいソフビ。70年代に実際に売られていた商品が入手困難として人気がある
ずらりと並んだ懐かしいソフビ。70年代に実際に売られていた商品が入手困難として人気がある
マルサン製の「快獣ブースカ」はお値段なんと95万円(税別)。当時の商品が“発掘”されるのは、帰省した際に実家の物置を探したり、おじいちゃんおばあちゃんが息子の部屋を掃除したりしたとき。「出てきたよ!」と売りに来るそうだ
マルサン製の「快獣ブースカ」はお値段なんと95万円(税別)。当時の商品が“発掘”されるのは、帰省した際に実家の物置を探したり、おじいちゃんおばあちゃんが息子の部屋を掃除したりしたとき。「出てきたよ!」と売りに来るそうだ

 セルロイドに代わり、加工に優れたビニールという材質で人形を作ったのは日本が最初。精巧な金型を作り商品の魅力を格段に高めたが、今では職人が減少の一途をたどり、「70年代のソフビが“手に入らないもの”として人気がある」(スタッフ)。色合いや塗装の仕方も、当時のものが好まれるという。

 海外でも「sofvi」の名で呼ばれ、日本製ソフビに対するリスペクトは絶大だ。「新しいソフビを日本の技術で作りたいというアーティストがわざわざ日本に来て、日本の工場で材料をそろえ、金型を作って塗装までやる。作家さんは作品の足の裏に『Made in Japan』の刻印を入れたいようだ」とのこと。

BEMON製の「公害怪獣」は8万円(税別)
BEMON製の「公害怪獣」は8万円(税別)

 カメラ販売の三宝カメラ(東京・目黒)が出店した「2nd BASE」の主力商品はオールドレンズやフィルムカメラだ。高画質なデジタルカメラ全盛の時代、古い設計のフィルムレンズでは性能が追いつかない。しかしその甘い描写や、“光のノイズ”ともいえるフレアやゴーストを“妙味”と捉え、あえて新しいデジカメに古いレンズを取り付けて写真を撮る人が増えているという。

 生まれたときからデジカメが身近にある環境で育ったデジタル世代は、高画素化したデジタルで撮った写真にもはや新味など感じないだろう。むしろ「フィルム時代の描写は結構“映える”」と興味を持つ若者が少なくないそうだ。

中古カメラやオールドレンズを販売する「2nd BASE」
中古カメラやオールドレンズを販売する「2nd BASE」
写真好きならこのオールドレンズを眺めるだけで胸が躍るだろう
写真好きならこのオールドレンズを眺めるだけで胸が躍るだろう
オールドレンズを使うとフレアやゴースト、四隅の光量落ちなどが出やすい。デジタル化で誰もがきれいな写真を撮れる時代だからこそ、通常はNGとされるこうした現象を“味”として楽しむ人たちが増えている
オールドレンズを使うとフレアやゴースト、四隅の光量落ちなどが出やすい。デジタル化で誰もがきれいな写真を撮れる時代だからこそ、通常はNGとされるこうした現象を“味”として楽しむ人たちが増えている

少年の心のまま楽しむ

 ハビコロ玩具(東京・千代田)が出店する「ハビコロ玩具すけるとん」は鉄道模型とスケールモデルの専門店。ここでは主に「ミニ四駆」の販売に力を入れている。1980年代後半、パーツを組み合わせてカスタマイズし、速さを競うミニ四駆は男の子を夢中にさせた。レースに挑戦する少年が主人公の漫画とアニメの大ヒットもあり、「当時小学生だった男子はだいたい通って来た道。でもお小遣いでは十分なパーツを買えなかった」(スタッフ)と懐かしさが募る。今なら昔ハマった親が、子供と一緒に楽しめそうだ。

プラモデルのキットやカスタマイズ用のパーツが所狭しと並ぶ「ハビコロ玩具すけるとん」。ミニ四駆の試走もできる
プラモデルのキットやカスタマイズ用のパーツが所狭しと並ぶ「ハビコロ玩具すけるとん」。ミニ四駆の試走もできる

 ミニ四駆は速さとデザインの格好よさがポイント。速くするには主にモーターやギア、タイヤのカスタマイズが必要。車体を軽くしすぎるとコースアウトの恐れもある。単純そうだが、創意工夫の結晶なのだ。ミニ四駆の大会ほか、近ごろは酒を飲みながら“愛車”を走らせられる店もあるそうで、昔にはなかった展開が見られる。

ミニ四駆の商品の箱がぎっしり納められた棚。少年時代のバトル熱がよみがえる
ミニ四駆の商品の箱がぎっしり納められた棚。少年時代のバトル熱がよみがえる