資生堂の50~70代向け総合美容ブランド「PRIOR(プリオール)」は、今の50代を構成する“バブル世代”に向けてマーケティング手法を刷新する。好景気時代の前向きさと人生100年時代への不安との間で葛藤している50代は、かつてと比べて価値観や美容への消費行動が異なるためだ。

資生堂の「PRIOR(プリオール)」は、50~70代向けスキンケア、メークアップ、ヘアケアの総合美容ブランド。2020年1月にマーケ手法を刷新する
資生堂の「PRIOR(プリオール)」は、50~70代向けスキンケア、メークアップ、ヘアケアの総合美容ブランド。2020年1月にマーケ手法を刷新する

技術力にあぐら、失敗から生まれた人気ブランド

 シニア世代が存在感を増し、化粧品市場における50歳以上の購入金額構成比が46.7%を占める中(2013年、資生堂調べ)、プリオールはシニア世代向け総合ブランドとして2015年に誕生した。ブランドコンセプトは「大人の七難 すんなり解決 プリオール」。体の大きな変化を経て、以前とは違う肌や髪の悩みが多く出てくると同時に、体力も低下し始めるのがこの世代。そこで「下がる」「凹凸」「影」「色」「乾く」という見た目の悩みに加え、「見えにくい」「おっくう」という体の機能や意欲の低下にも対応し、簡単に使えるアイテムをそろえたところ、発売から毎年2桁成長を続ける人気ブランドとなった。

Before&Afterの写真を載せ、使い方をパッケージ自体に表示するなど分かりやすいパッケージデザインになるよう趣向を凝らした
Before&Afterの写真を載せ、使い方をパッケージ自体に表示するなど分かりやすいパッケージデザインになるよう趣向を凝らした

 資生堂は1989年から「サクセスフルエイジング」をキーワードに、シニア層向けブランドを複数展開している。だが、いずれも定着しなかった。その理由を資生堂リージョナルブランド部プリオールGブランドマネージャーの河合有起氏(組織名・肩書は2019年12月時点)は「肌老化への知見にあぐらをかいていた。肌の悩みを解決できる技術があれば受け入れてもらえると思い込んでいたことが原因」と分析する。そこで約7000人を対象に家庭訪問などを行い実態調査したところ、開発側とユーザー側との間で認識のギャップがあることが分かったという。

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