メルカリは2019年12月10日、フリマアプリ「メルカリ」の利用を促すため、新聞配達員が自宅でメルカリアプリのダウンロードから出品方法まで教えてくれる「おうちでメルカリサポート」を始める。高齢者向け生活支援サービスを提供しているMIKAWAYA21(東京・中央)との提携によるもの。

メルカリ BizDev-Div/Offline UX 石川佑マネージャー(右)、新聞販売店の井上啓一所長(左)
メルカリ BizDev-Div/Offline UX 石川佑マネージャー(右)、新聞販売店の井上啓一所長(左)

 「おうちでメルカリサポート」は東京都葛飾区・板橋区の一部新聞販売店を通じ、まずは実証実験からスタートする。宣伝チラシに記載された電話番号やWebサイトから申し込むと、新聞配達員が自宅に来て、フリマアプリ「メルカリ」のダウンロードから出品の仕方まで教えてくれる。さらにメルカリで売れやすい品物を教えるといったアドバイスももらえる。料金は20分につき500円(税別)で、期間は19年12月10日から1カ月程度を想定している。

 このサービスは、MIKAWAYA21が新聞販売店など地域に密着した企業とともに展開している高齢者向け生活支援サービス「まごころサポート」のひとつとして提供する。「まごころサポート」の他のサービスと組み合わせた依頼も可能だ。例えば年末の大掃除の手伝いを依頼し、その時に見つかった不用品の出品を「おうちでメルカリサポート」で手伝ってもらうなどの使い方が想定できる。

 新聞販売店との連携について、メルカリ BizDev-Div/Offline UXマネージャーの石川佑氏は、「メルカリの認知度は高いが、これまで以上にユーザー層を広げていくのにオンラインだけでは限界がある。新聞販売店は地域密着型のビジネスをしていて、オフラインでユーザーとのリアルな接点を持っている。こうした企業と協業することで、オンラインでは獲得できないユーザー層にアプローチできる」と語る。

 メルカリはアプリの使い方を教える「メルカリ教室」など、オフラインでユーザーとの接点を増やす施策に力を入れている。「おうちでメルカリサポート」もその一環だ。「メルカリ教室では40、50代以上の参加者が目立つ。今回の実証実験ではそれに加えて高齢者層や家庭の主婦層も取り込みたい」(石川氏)という。

 ジャストシステムの「Eコマース&アプリコマース月次定点調査(2019年3月度)」によると、CtoC(個人間商取引)サービスの年代別利用者については、10~30代はメルカリ、40~60代はヤフオク!が最も多い。「おうちでメルカリサポート」などオフライン施策の強化は、40~60代のユーザーを増やすことにつながる。

 新聞販売店にとっては新聞配達と折り込み広告以外の収入につながることがメリットだ。実証実験に参加する新聞販売店の井上啓一所長は「新聞購読者の減少で収入は減っている。それを補うため、配達員が家事手伝いやエアコンのクリーニングなどを行うサポートサービスに力を入れている」と話す。新聞販売店は実店舗を持ち、配達員と購読者が日常的に顔を合わせて信頼を得ていることもあり、サポートサービスの利用者は増えているという。

この新聞販売店には「まごころサポート」のサービスを行う専門スタッフがおり、「おうちでメルカリサポート」は主にそのスタッフが担当する
この新聞販売店には「まごころサポート」のサービスを行う専門スタッフがおり、「おうちでメルカリサポート」は主にそのスタッフが担当する

 新聞販売店の実感として、高齢者宅を訪問すると使わなくなった品が家のあちこちに積み上げてあり、処分に困っている人が多いそうだ。邪魔な不用品の中に価値があって売れるものがあることを高齢者に認知してもらえるかどうか、高齢者のメルカリユーザーを増やすポイントはここにありそうだ。


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