全国小売店の販売データを集計する日経POS情報の食品全カテゴリーで、2019年11月の来店客千人当り販売金額の前年同月比伸び率を調査した。日経クロストレンドは、伸び率3位の「豆乳類」と、減少率3位の「プレミアムアイス」に着目。豆乳は、冬も夏も楽しめるメニュー提案で人気になっている。

キッコーマン豆乳のブランドサイト
キッコーマン豆乳のブランドサイト

 伸び率トップは、10月に続いて「ココア・チョコレート飲料」で34.6%増。前回の記事で明治のプロテイン飲料「ザバス」の人気について取り上げた。2位は9月に1位、10月に3位だった「紅茶飲料」。こちらも以前、リニューアルした日本コカ・コーラの「紅茶花伝」が好調である旨報じている。今回、これに続く3位にランクインしたのが「豆乳類」だった。

日経POSデータ食品カテゴリーの前年同月比伸び率ランキング
日経POSデータ食品カテゴリーの前年同月比伸び率ランキング
3位に「豆乳類」がランクイン

 豆乳類の売れ筋トップ3は、いずれもキッコーマンの1リットル紙パック商品だ。同社は19年10月9日から14日までの6日間、表参道で期間限定ストア「キッコーマン ホッ豆乳スタンド」をオープン。豆乳を温めて飲む「ホッ豆乳」を訴求するため、“トウニュウ”にかけて1日1020杯を無料配布するプロモーションを展開した。

19年10月、東京・表参道で期間限定ストアをオープンし、「ホッ豆乳」を訴求
19年10月、東京・表参道で期間限定ストアをオープンし、「ホッ豆乳」を訴求

 同社は6月にも同じ会場で、キッコーマンの豆乳を凍らせた豆乳アイスのプロモーションを実施している。10月の限定ストア終了後も、豆乳の紙パックに付いているバーコードを集めて応募すると、東京ディズニーシーの貸し切りパーティーチケットなどが当たるプレゼントキャンペーンを11月にかけて実施していた。

 近年、豆乳はみそ汁に足してまろやかな味わいにしたり、凍らせてアイス状にしたりと、多様な味わい方がSNSでも話題になって広がりを見せている。豆乳クリームや豆乳ベースの鍋スープなども人気だ。

 日本豆乳協会の統計によると、豆乳類の出荷量は、1980年代前半に10万キロリットル(kl)を超える豆乳ブームがあったが、その後低迷し、平成初期は2万kl台で推移していた。それが1997年から上昇に転じ、2015年に30万kl超え、18年は36万kl弱に達している。19年は1~9月の時点で30万klに迫る勢いで、年間40万klの大台到達が視野に入ってきた。

9月の“華もち”人気から一転、ハーゲンダッツ失速

 一方、減少率ランキングでは、前年同月比16.2%減の「プレミアムアイス」が3位。10月に続いて10%を超える減少だった。

日経POSデータ食品カテゴリーの前年同月比減少率ランキング
日経POSデータ食品カテゴリーの前年同月比減少率ランキング
3位に「プレミアムアイス」がランクイン

 プレミアムアイス販売額の大半は、ハーゲンダッツの商品で構成されている。19年5月は、下旬に4日間連続で東京の最高気温が31度を超える夏日が続き、プレミアムアイスの千人当り販売金額は、前年同月比15.9%増と好調だった。夏本番は、7月が10.7%減、8月が3.7%減とさえなかったが、9月は17日から期間限定で人気の華もちシリーズ2商品を1年半ぶりに発売したことから、20.2%増を記録した。

プレミアムアイスの販売額は、10月、11月と前年同月比で10%を超える減少が続く
プレミアムアイスの販売額は、10月、11月と前年同月比で10%を超える減少が続く

 そんなハーゲンダッツが10月、11月と失速している。食品そのものにかかる消費税率は8%のままだが、増税になった分の出費をどこかで帳尻を合わせようとすると、生活必需品ではない、ちょっとしたプレミアム商品が買い控えの対象になりやすい。10月は停電になるかもしれない台風に備えてアイスが敬遠された可能性があるが、11月も停滞していることから、増税のしわ寄せがハーゲンダッツに及んでいる可能性がありそうだ。

この記事をいいね!する