クラフトビールを手に自分のペースで楽しめる場を提供したい

 一方、タイトーの“本業”でもあるゲームは、昔懐かしいゲーム機の本体を小型化した「ARCADE1UP」シリーズ、コンピューターゲーム黎明(れいめい)期に爆発的にヒットした米アタリ「ポン」を実際のブロックを動かす方式で再現した「TABLE PONG」、映画スター・ウォーズなどを題材にした液晶ディスプレー付きのピンボールゲームなどをそろえる。昔のゲームを現代風にアレンジした、誰でも楽しめる分かりやすいものが中心だ。これは上司と部下での来店、接待、パーティーなどで使われることを想定したものだ。

 「銀座という土地柄、仕事帰りの上司と部下など年代の離れた組み合わせでの来客もある。年代を越えて楽しむことができ、会話が生まれやすいように、古すぎず新しすぎないゲームを選んでいる」(山田社長)

懐かしのゲームを現代風にアレンジしたものなど、年代を越えて楽しめるゲームが並ぶ。反応を見て、入れ替えていく予定だ
懐かしのゲームを現代風にアレンジしたものなど、年代を越えて楽しめるゲームが並ぶ。反応を見て、入れ替えていく予定だ

 タイトー 新規事業部長兼イータテインメント部長の宮西隆昌氏は「米国には大人が集まってお酒を飲みながらゲームを楽しむバーが数多くあり、そうした場を日本に作りたいというのが企画の始まりだった」と語る。

 「友人同士で気軽に集まってゲーム、遊び、食事を楽しめる場所を提供したかった。しかし日本でエンターテインメントレストランを作ると、そのエンタメのジャンルが好きな人しか集まらない場になりがちだ。そうではなく、誰もが気軽に来店できる普段使いの場所、普通のレストランやパブの延長線上にあるものとして作った」(宮西氏)

タイトー 新規事業部長兼イータテインメント部長 宮西隆昌氏
タイトー 新規事業部長兼イータテインメント部長 宮西隆昌氏

 パブエリアはフラットで開放感のある空間だ。自分でビールを注ぎ、それを手に友達とゲームを遊んだり、ソファに座って談笑したりと、自由に移動しながら楽しめるようにとの狙いがある。音楽を重視してDJエリアを設けたのは、移動を促すためだ。

 「音楽で雰囲気を演出することで、お客さんが動きやすくなる。飲食店ではお客さんは座ったまま動かずにスタッフが来るのを待つことが多い。ここでは自分のペースで自由に動いて、ビールを注ぎ、スナックを取って楽しんでほしい」(宮西氏)

 軸になるのは18種類の国産クラフトビールだ。

 「ターゲットユーザーは明確に定めていないが、何屋さんなのかというスタンスは、明確に打ちだすべきだと考えている。“おいしいクラフトビールが楽しめるガストロパブ”という基本があり、そうした店を好む人がいわばターゲット」(宮西氏)

 今後、ゲームやビールは反応を見ながらどんどん入れ替え、業態としてブラッシュアップし、フランチャイズを含め店舗を増やしたい考えだ。

 「『EXBAR TOKYO』ブランドとして展開していきたい。国産クラフトビールをそろえており、インバウンド需要の取り込みはもちろん、海外展開も考えている。音楽やゲームは言葉の壁を簡単に越える。そうしたことを意識した次の仕掛けを考えている」(宮西氏)

 友人たちと訪れて自分で自由に注いで飲める、クラフトビール好きにはたまらないブランドになりそうだ。目指す分量や価格にピッタリ合うように注ぐことはなかなか難しく、注ぐこと自体にゲームのような楽しさもある。ナイトエンターテインメントとして定着できるかどうかは、こうした楽しさを伝えられるかどうかにありそうだ。

(写真/酒井康治)