働き方改革のために必要なのは風通しのよさ

 基調講演以外にも注目の講演がいくつかあった。例えば、8日の午後にはワンキャリア最高戦略責任者、レントヘッド代表取締役、作家の北野唯我氏を招いて「働き方改革と『天才、秀才、凡人』の関係性とは? 『天才を殺す凡人』著者 北野唯我さんと語る、組織変革の罠」と題した講演が行われた。

ワンキャリア最高戦略責任者、レントヘッド代表取締役、作家の北野唯我氏
ワンキャリア最高戦略責任者、レントヘッド代表取締役、作家の北野唯我氏

 北野氏は、人や会社に対する期待値が高すぎることが不幸を生むのではないかと語る。

 日本の企業で従業員に「満足していないこと」を調査すると、人材の長期育成が断トツだという。しかし企業のトップを調査すると、人材育成に力を入れていると思っている人が多いそうだ。北野氏は「食い違いが大きい。みんな会社に対して期待しすぎではないか。そんな会社はこの世に存在しない。自分のキャリア、長期的育成は自分自身が設計しないといけない」という。

 「期待値をコントロールすることが大事。自分と違う価値観を持っている人がいるという前提があれば、期待値は適正になる」(北野氏)

 また北野氏は、平成の30年間で伸びた会社と落ちた会社の違いを調べたところ、伸びた会社の特徴の一つに風通しのよさという風土があるという。

 「伸びた会社には、なんとなく働きやすい、なんとなく意見を言いやすいという空気がある。職場の風通しがいいと、正の影響が出て業績が上がる。職場の空気が利益につながる」(北野氏)

 ただし風通しのいい組織では、衝突も多く起きる。そのとき大切なのは「やさしさ」だ。

 「やさしさには2種類ある。自分の意見を言わずに相手の意をくみ取ることと、自分の思っていることを言って相手の意見も聞くことだ。風通しのいい組織に必要なのは後者」(北野氏)

 ほぼ満席となった会場から多くの質問も寄せられ、来場者の関心の高さがうかがえる講演となった。


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