消費税率が8%から10%に上がった2019年10月。食品カテゴリーは大半の商品に軽減税率が適用されるが、一部適用外の商品群では9月に駆け込み需要があった分、10月の販売が落ち込んだ。一方で大型の台風に対する備えから、非常食となる水や缶詰、即席食品の販売が伸びた。

全国小売店の販売データを集計する日経POS情報の食品全カテゴリーで、2019年10月の来店客千人当り販売金額の前年同月比伸び率を調べてみた。
伸び率のワースト、すなわち減少率トップは「みりん・調理酒」で前年同月比16.2%減。以下、「焼酎類」16.0%減、「日本酒」12.9%減、「発泡酒」12.2%減と酒類が続く。

10月からの消費税率10%へのアップに際し、飲食料品は軽減税率の対象で8%に据え置かれている。ただし酒類は軽減税率の対象外で10%。そのため、8%で買える9月に駆け込み購入が起こり、10月は一転して買い控えが生じた格好だ。
減少率トップのみりんは、酒類に分類される本みりんと、食品扱いのみりん風調味料とに分けられる。本みりんは、もち米、米こうじを原料に醸造したもので、アルコール度数は14%ほど。一方のみりん風調味料は、ブドウ糖や水あめにうまみ成分を加えたもので、アルコール度数は1%未満。酒税法の規定から外れるため、ノンアルコールビールと同様に軽減税率が適用される。
このコンテンツ・機能は有料会員限定です。
- ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
- ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
- ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
- ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー