東京都とインスタグラムは2019年11月11日、東京の魅力をシェアして国内外に発信するキャンペーン「#MY TOKYO IS _____(マイ トーキョー イズ)」を共同で開催すると発表した。東京五輪前に国際観光都市としての東京都の認知度向上を目指す。
「#MY TOKYO IS _____」キャンペーンは、東京のさまざまな風景を捉えた写真や動画を「Instagram」の「フィード」「ストーリーズ」でシェアするというもの。東京都の国際観光都市としての取り組みを国内外の観光客に向けて発信するのが狙いだ。
キャンペーンの期間は19年11月11日から20年1月10日まで。キャンペーン終了後は主催のFacebook Japan(東京・港)が投稿を選定し、20年3月下旬に東京・銀座の「蔦屋書店 GINZA ATRIUM」でエキシビション展示するほか、ウェブサイトや旅行者向けの冊子に掲載する。
発表会ではインスタグラムの責任者であるアダム・モッセーリ氏が登壇。米国以外では初となるプロダクトチームを東京に設置するほど日本市場を重視していると話した。
なかでもモッセーリ氏が「楽しみにしている分野」と語ったのが、日本の観光分野に対する貢献だ。日本人が休暇の予定を立てるときと同様、日本を訪れる海外の利用者もInstagramを活用していることがインスタグラムの調査で分かっている。「20年に東京オリンピック・パラリンピックというビッグイベントを控える東京、そして日本の認知度向上に貢献するため、今回のキャンペーンを展開するに至った」とモッセーリ氏。
モッセーリ氏はこのキャンペーンがマーケティングとしての取り組みだけでなく、限定デザインのスタンプを利用した仕組みを開発するなど「インスタグラム全体で取り組んでいるものでもある」と言う。キャンペーン開始に伴って提供される「ストーリーズ」用の3種類のスタンプは、東京都内にいるときのみ表示される限定デザインで、ハッシュタグの代わりとしても使えるものだ。「自分にとっての『東京』が何を意味するのかを表現してほしい。キャンペーンを通じて、東京についてより多くを語ってもらえればと思う」(モッセーリ氏)。
一方、キャンペーンを共同展開する東京都の多羅尾光睦副知事は19年9月から11月にかけて開催された「ラグビーワールドカップ2019」に触れ、「(ラグビーの)試合とともに東京の景色や文化などが、InstagramなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を通じて発信された」とSNSの力を強調した。
「東京は江戸時代の伝統文化から、先進的なポップカルチャー、そして伊豆諸島や多摩地区など、多くの自然の魅力も備えていることが強みだ」と多羅尾氏。「今回のキャンペーンを通じて、多くのインスタグラマーに東京の魅力を世界に向けて発信してほしい」。
東京都では現在、広報活動にSNSを活用しており、今回のキャンペーンもインスタグラムとのコミュニケーションの中で生まれた。今後は観光に限らず、災害対応などより広い分野の情報発信にInstagramをはじめとするSNSの利用を検討していく考えだ。
(写真/志田 彩香)