焼肉店「牛角」やしゃぶしゃぶ店「しゃぶしゃぶ温野菜」を運営するレインズインターナショナル(横浜市)が月額定額制の食べ放題や飲み放題を本格的に開始した。まずは各ブランド数店から開始し、今後他店舗にも拡大する考えだ。外食大手がサブスクリプションサービスの導入に動いたことで、今後多くの飲食店で広がりそうだ。

牛角 赤坂店では食べ放題や飲み放題の月額定額制サービスを開始した
牛角 赤坂店では食べ放題や飲み放題の月額定額制サービスを開始した

 レインズインターナショナル(横浜市)は、自社が運営する飲食店で使えるサブスクリプションプラン(定期券)を2019年11月5日にサブスクポータルサイト「MONSTER PASS(モンスターパス)」で発売した。定期券は、都内などの一部店舗でまず導入し、販売状況を見ながら順次他の地域へも展開する。「頻繁に来店するほどメリットがある定期券を用意することで、各ブランドのファンを増やし、来店頻度を高める狙いがある」(同社広報企画課)。

 同社が定期券を導入したのは、焼肉店「牛角」、しゃぶしゃぶ店「しゃぶしゃぶ温野菜」、居酒屋「居酒家 土間土間」「かまどか」「ぶっちぎり酒場」の5ブランド、11店。例えば、「牛角 赤坂店」では、3828円(税込み、以下同)の食べ放題コースを半額の1914円で毎日1回利用できる定期券を月額3300円で、通常、1628円のアルコール類の飲み放題を毎日1回利用できる定期券を月額1628円で販売する。

 温野菜 馬込店では、通常6468円の黒毛和牛の食べ放題コースを月額2万2000円で毎日1回、土間土間 阿佐ヶ谷店では、通常1980円の飲み放題コースを月額3300円で毎日1回利用できる定期券などをそれぞれ販売する。

 これらの定期券では、グループで来店した場合、定期券を持っていない人は通常料金を支払う必要がある。牛角の食べ放題コースの定期券を購入した場合、客が月に2回以上利用すれば得する計算だ。店は、これらの定期券のお得感をアピールすることで、月額の固定収入を確保できるほか、月に複数回来店する常連客を増やせるメリットがある。

サブスク導入のハードルを下げる

 レインズが採用したモンスターパスはインサイトコア(東京・港)が運営するサービス。ウェブサイトに定期券を表示するもので、飲食店は初期費用0円、月額2980円と販売金額に応じた手数料を支払う。定期券の購入者は、ウェブ上でクレジットカードを使って決済し、スマホ画面に表示した定期券を店舗で提示する。定期券は、解約しない限り次の月も自動更新する。

飲食店の定期券を販売するモンスターパスの画面
飲食店の定期券を販売するモンスターパスの画面

 既に30ブランド以上、約200店舗での導入が決定しているという。居酒屋「金の蔵」を運営する三光マーケティングフーズ(東京・中央)は55店、ラーメン店「桂花ラーメン」を運営する桂花拉麺(熊本県菊池郡菊陽町)は9店で同サービスを採用し定期券を販売する。インサイトコアは今後、美容院など飲食店以外の業態にもサブスクの導入を拡大する考えだ。 

 これまで飲食店で月額制の定期券を販売する場合、紙のカードや専用アプリを使うのが一般的。ただ、紙のカードを制作・管理したり、専用アプリを開発したりする手間やコストが店の負担になっていた。モンスターパスを利用することで、これらのハードルががなくなるため、店舗数の少ない個人店でもサブスクを導入しやすくなる。

 近年、複数店舗を展開する中規模の外食企業が、飲み放題などのサブスクを導入するケースが増えていた。一方、レインズは、牛角や温野菜などの人気ブランドを国内に1161店展開する外食大手。また同社が属するコロワイドグループ全体の店舗数は、国内外に直営、FC合わせて約2700になる。

 レインズが効果を上げれば、グループの他のブランドにサブスクが広がる可能性もある。今後、大手はもちろん個人店も含めて外食でのサブスク導入が加速しそうだ。

■修正履歴
・温野菜、土間土間の価格表記が税別になっていたため税込みに統一しました。[2019/11/20 20:30]
・モンスターパスの月額料金に誤りがあり修正しました。[2019/11/13 16:00]