SNSに強いタレントは正直者が多い

 中学生のころから、好きなアイドルを応援するためにブログを立ち上げたり、掲示板に書き込みをしたり、「とにかくネットばかり見ていた」と語る。SNSとの上手な付き合い方を聞いた。

 ズバリ、SNSに強いタレントさんって正直者が多い印象です。私もできるだけ等身大の自分を見せるようにしています。高級なものを食べたときもカップラーメンを食べたときも、SNSで同じように報告するし、何か商品をお薦めするときは、実際に使って「いい」と思ったもの、食べて「おいしい」と思ったものだけを紹介する。

 ファンの方は、私のことをよく見てくださっているし、とても敏感。ありがたいことですが、少しでも嘘があると気づかれてしまうし、1つでも嘘があると、全体が嘘だと思われてしまう。そうすると、自分が発信する情報への信頼度も下がってしまうんですよね。

 また、SNSで宣伝をするときに、できるだけ誇張表現を使わないように心がけています。誇張表現って逆に消費者側の心理的なハードルを上げてしまうんですよね。SNSで「誰もがハマる」とか「一度食べたらやめられない」とか書かれている食べ物や美容グッズを試して、「何だ、普通じゃん」とがっかりすることが、私もよくあるので(笑)。商品の良さが伝わるような写真を載せ、簡単な説明を加える程度にした方が、最終的には良い印象を持っていただけるのではないかという気がします。

 「多くの人に理解してもらうためには、伝え方が大事だ」ということもネットから学びました。ネットやSNSで公式に何かを発言するときは、「こう言えば、こんなリアクションが返ってくるだろうな」というのを、あらかじめしっかり考えるようにしています。

ヒットの新方程式
1)実際と乖離がある誇張表現はNG。商品との“出会い“を大事に
 SNSで情報を発信するうえで嘘はご法度。1度疑いが掛かるとアカウント全体の信頼性が落ちてしまう。最近は、消費者の「誇張疲れ」も起きている。SNSに釣られて実際の商品を体験した際に、イメージとの落差があるとリピーターが根付かないので要注意だ。

2)客観視を欠かさない。SNSは最高のマーケティングツール
 商品を作っているとついポジティブな意見ばかりに目が行きがち。そんなときは批判を恐れずに、SNSを使って世間からの評価を確認するのが早道だ。多くのファンを持つがゆえに、シビアな意見の重要性を実感したと語る。

3)SNSで宣伝するなら自分がとことん商品のファンになる
 SNSで情報を発信するうえで重要なのは、嘘をつかないことだ。1つでも嘘があるとすぐに見破られてしまい、アカウントの信頼度が下がってしまう。「ものづくり」から関わり、自分が商品を徹底的に好きになれば、おのずとSNSでの情報発信力が強まる。

アイドルのプロデュース法は「秋元さんと真逆」

 17年からは、代々木アニメーション学院の協力の下に誕生した声優アイドルグループ「=LOVE(イコールラブ)」のプロデュースも手がける。プロデューサー秋元康氏が築き上げたAKB48と、自身が思い描く令和のアイドル像に違いはあるか。

 秋元さんのプロデュースのやり方は「自由にさせよう」「個性を伸ばそう」というものでした。

 私は秋元さんから「お前は不幸な方が絶対いい」と言われたことがあります。その方が、負のパワーが爆発して面白いから、と。その結果、私のひねくれたコメントが、バラエティーなどで面白がってもらえました。私が今こうしていられるのは、秋元さんから芸能人としての生き方を教えていただいたおかげです。

 ただ、私のプロデュースのやり方は、秋元さんとは基本的に真逆(笑)。特に新人の子を指導する場合には、やっていいことと悪いことが分かるまで、SNSなども必ずマネジャーにチェックさせるようにしています。私はもともとアイドルが好きなので、できれば私みたいにキャラクターで売るのではなく、まずはパフォーマンスのスキルを磨いて、まっとうなやり方で人気を得てほしいんです! 世の中の流れもパフォーマンス重視の本格派アイドルを求める流れに変わってきていると思います。

 アイドルであれ楽曲であれ商品であれ、自分が提供するからには、恥ずかしくない「いいもの」を作りたい。だから私は、自分が作った曲が大好きで何度も聴くし、自分が手がけた商品には自信があるので、使い倒します。そのくらいじゃないと、お金を出して買っていただいた方、応援してくださる方に失礼だと思うので。自分が褒められたときには謙遜しますが、自分が作ったものが褒められると「そりゃそうでしょ。ちゃんと作ったんだから」という気持ちになります(笑)。

 手がけたものや作ったものに対して、自分自身がどれだけファンになれるか。それが「ものづくり」においては大事なのではないかと思います。

アイドルのプロデュースにも注力
=LOVE(イコールラブ)
代々木アニメーション学院との協力で、声優を集めた女性アイドルグループ。19年10月に6枚目のシングル『ズルいよ ズルいね』をリリース

≠ME(ノットイコールミー)
新たにデビューした=LOVEの姉妹グループ。19年8月に配信限定の1stソングをリリースし、10月には「君の音だったんだ」のMVを公開
日経トレンディには掲載できなかった未公開ショット
日経トレンディには掲載できなかった未公開ショット

(写真/三瓶康友、スタイリスト/米原佳奈、メーク/天野優紀)


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