テレビ番組出演がマーケティングの場に

 開発中に行ったのが、「自分を使ったマーケティング」だ。カラコンの開発を行っていることは伏せたまま、さまざまなカラコンを装着して、テレビ出演やSNSでの発信を行い、消費者の反応を分析した。

 オンエア後にSNSなどでエゴサーチをし「指原、カラコンでかすぎ」「今日のカラコンはかわいかった」といった、視聴者の方の声を確認しました。カラコンって、他人からどう見えているか、自分ではなかなか分からないじゃないですか。鏡で見るとつい決め顔しちゃうし(笑)。

 SNSやブログには、私のファンだけではない視聴者の方の率直な感想が書かれているので「このくらいの大きさだと不自然に見えるんだな」とか「世間でナチュラルカラコンといわれているものでも、他人からは大きく見えるんだな」とか、気づかされることが多いんです。とても商品開発の参考になりました。

【テスト】マーケティング
【テスト】マーケティング
発売前からカラコンを着用して、テレビ番組などに出演。SNS上で反響をエゴサーチして開発に役立てた。ファンの声だけでなく、「目がでかすぎる」といった批判的な意見にも注目していたと語る

 発売後の反響ももちろん調べますよ。自分が褒められるより、商品が褒められた方がうれしいですね。以前大きすぎるカラコンを付けていた後輩が「こんないいカラコンがあるなんて知らなかった」と言っているのを聞いて、「この反応が欲しかった!」と思いました。

 一方で、日常使いに振った結果として、「盛れない」「かわいくならない」という意見も少なからずありました。なので次はそれらの声を反映し、不自然にならない範囲で、少し大きめの商品を作ってみたいと思います。「その人のニーズに合う商品、納得のいく商品が、必ず一つはある」というラインアップにしたいと思っているので。

 情報収集のみならず、宣伝においても戦略的に活用したのがSNSだ。発売数カ月前から情報発信を始め、期待感を高めた。発売直後は公式ECサイトの商品が即完売し、店舗への供給が追いつかない事態となった。

 最近の若い子の買い物の仕方は、上の世代とは大きく異なります。店頭で実際に商品を見て買うよりも、むしろSNSで話題になった商品をネットで買う傾向の方が強い。日常使いできるうえで写真映えする商品、「何これ」と思ってもらえる商品を作り、SNSでバズらせる必要があると感じました。

 そのため、第1弾で発売した4種類のカラコンのうちの1つ、「ラピスラズリ」という商品をあえて青系の色にしました。既存の青系のカラコンは、色味が強く、どうしても爬虫類っぽくなってしまいがちですが、ラピスラズリはナチュラルなヌケ感があるので、一目で違いが分かるし「こんな青系のカラコン、見たことがない」と思ってもらえるからです。実際、SNSでの効果は抜群で、ラピスラズリを装着した写真をアップすると「どこのカラコンですか?」と訊かれることが多かったですね。

発売時にはツイッターやインスタグラムで装着時の着用感を自らレビューした。青みがかった特徴的な色合いの「ラピスラズリ」は、SNSでの拡散を意識して開発した
発売時にはツイッターやインスタグラムで装着時の着用感を自らレビューした。青みがかった特徴的な色合いの「ラピスラズリ」は、SNSでの拡散を意識して開発した
【共感】マーケティング
【共感】マーケティング
SNS上では頻繁にフォロワーと会話を繰り広げる。プロデュースしたカラコンに合うコスメの提案を試すこともあり、等身大の姿がファンの心を掴んだ

 フォロワー数260万人超とツイッター上での発信力が高く、頻繁につぶやいている。ファンとの交流も活発で支持を得ているが、SNSとどう向き合っているのか。

 SNSから学ぶことは多いですよ。例えば私、この間「シャウエッセンの中にチーズ入ってるのやばい・美味しすぎた・神の食べ物」ってつぶやいたんです。「食べたい」「買ってみたい」ってリプが多い中で、ハッとしたのが「でも、普通のより1本少ないんだよね」という書き込み。

 「なるほど、その発想はなかった!」って思いましたね。こんな感じで「人の数だけ価値観があるんだなあ」と思うことがしょっちゅうあります。 もちろん、中にはシビアな意見もありますが、単なる誹謗中傷はスルーしつつ、そうしたリアルな反応や感想にもしっかり向き合うことが重要です。ファンの方は、基本的には良いことを言ってくださるんですが、客観的に自分を見るためには、否定的な意見に目を向けることも大事ですね。