外出先でプレーする機会を増やした

『2ndG』は中高生にヒットし、社会現象にもなりました。どこのファストフード店に行っても高校生が4人1組で遊んでいて、ゲーム禁止の貼り紙をする店舗もあったほどです。

辻本氏 そうですね。『2ndG』で一気に広がりました。日本ではこの頃に入ってきたユーザーが、今もファンの基盤になっていると思います。

 公式イベントの「モンスターハンターフェスタ」など、リアルの世界でファンに喜んでもらえる施策を立ち上げたのもこの頃です。モンスターハンターフェスタは「モンハン」の公式大会や来場者同士がマルチプレーを楽しむ「リアル集会所」などを行います。

「モンハン」はイベント開催に積極的。『モンハンワールド』を題材としたイベント「狩猟感謝祭」は、会場内にモンスターのフィギュアや開発資料などを展示したり、開発陣によるトークイベントを行ったりする
「モンハン」はイベント開催に積極的。『モンハンワールド』を題材としたイベント「狩猟感謝祭」は、会場内にモンスターのフィギュアや開発資料などを展示したり、開発陣によるトークイベントを行ったりする
19年11月には東京で、20年1月には大阪で「モンスターハンターフェスタ’19-’20」を開催する。入場は無料
19年11月には東京で、20年1月には大阪で「モンスターハンターフェスタ’19-’20」を開催する。入場は無料

 当時は携帯機なので「モンハン」を外でプレーするシーンを増やしたかった。PSPに対応したことで、外出先や電車などの移動中でもプレーしてもらえるようになりました。スマホがある今は電車内でゲームをするのは見慣れた光景ですが、当時は結構はばかられましたね。それがPSPで「モンハン」をプレーする人が増えて、人の目に触れるようになったんです。そのこと自体がプロモーションのような効果を発揮し、認知度が高まりました。

オンラインプレーでは、上級者が初心者のクエスト達成を手伝ったり、アイテムをあげたりしているのもよく見ます。

辻本氏 「モンハン」はユーザー同士が協力して遊ぶゲームですから、人を誘いやすい。対戦ゲームでは初心者は上級者の相手になりませんが、協力プレーだと上級者が初心者をフォローしたり、助けたりして一緒に楽しめます。

 初心者が育てばプレー人口は増えますし、そのうち強くなって一緒に難易度の高いクエストに挑戦できるようになる。だから上級プレーヤーが積極的にサポートしてくれるんだと思います。

その後、任天堂の「Wii」や「ニンテンドー3DS」でも発売しました。

辻本氏 任天堂のハードは本当にユニークで、そのハードだから生かせる特性があるのが面白かったです。ニンテンドー3DS版のタイトルでは、女性層の拡大につながりました。その後、『モンスターハンター 4』(13年9月発売、ニンテンドー3DS版)で本格的なオンライン通信時代へ入ります。

ニンテンドー3DSやPS4など、ハードによってゲームの特性が微妙に変わっていますね。

辻本氏 実はタイトルごとにテーマを変えているんです。例えばニンテンドー3DSでリリースした『モンスターハンター クロス』(15年11月発売)、『同ダブルクロス』(17年3月発売)はお祭り的なタイトル。いろいろな遊びを盛り込んで楽しめるのがテーマです。

 PS4でリリースしている『モンハンワールド』はその名の通り、世界標準、グローバル環境を考えています。『2ndG』では中高生や女性を強く意識していましたが、いつしかターゲットとなるユーザーが拡大し、今では年齢、性別を問わず全方位になりました。

「モンハン」シリーズは、キャラクターのかわいらしさも人気の秘密。そのためか女性ユーザーの比率は他のゲームより高く、15~20%を占める。『モンハンワールド:アイスボーン』でもかわいい動きが注目された
「モンハン」シリーズは、キャラクターのかわいらしさも人気の秘密。そのためか女性ユーザーの比率は他のゲームより高く、15~20%を占める。『モンハンワールド:アイスボーン』でもかわいい動きが注目された