「9項目」をセンシングしてAIが判断

 これら進化した洗剤の自動投入を支えるのは、「AIお洗濯」という機能だ。洗濯のたびに洗い、すすぎ、脱水の工程を、「水硬度」「水温」から「布質」「布量」「汚れの量」「脱水具合」まで9項目をセンシングする。例えば洗浄力がアップする水温の高さを検知した場合は洗剤の量を減らす。また、汚れがひどいと電流が流れやすくなる性質を利用して洗濯物の汚れのレベルを検知し、ひどい汚れの場合は洗い時間を最大10分延長する。こうした洗濯にまつわるさまざまな状況に対応した“賢い洗濯”を実現する。

 ユーザーと洗濯機の“仲”は、スマホ専用アプリが取り持つ。新開発のアプリ「洗濯コンシェルジュ」では、使用中の洗剤や柔軟剤の銘柄を市販品のリストから簡単に選べる他、帰宅時間に乾燥が仕上がるようにリモートで運転開始時間を設定できる。さらに「布の劣化が目立つ」「絞りが足りない」など前回の洗い上がりに対するユーザーの評価を洗濯機が学習し、好みの仕上がりに近づけていく「わがや流AI」というコースも用意した。

 アプリで設定できる機能は、今後どんどん追加される予定だ。例えば「洗えるスーツコース」「黄ばみ除去コース」など、新たなコースをアプリでダウンロードして増やせるようになる。

洗剤の銘柄指定や洗濯機のリモートコントロール、洗濯の仕上がりの評価などは、手元のスマホアプリで行う
洗剤の銘柄指定や洗濯機のリモートコントロール、洗濯の仕上がりの評価などは、手元のスマホアプリで行う

 この他、高速風でシワを伸ばして乾燥し、アイロンがけの手間を軽減する「風アイロン」では、「おいそぎコース」が進化。大容量ドラムの強みを生かして、衣類を効率よく乾燥する。例えば6キログラムの衣類なら、洗濯から乾燥まで約95分で終了する。

 乾燥機能には、ドラム内にスチームを発生させてシワを伸ばす「スチームアイロンコース」を用意。シャツ1枚なら約5分で完了するため、忙しい朝や出かける前の衣類のシワ取り、消臭に活躍するという。

 日立は今回のような白物家電で「高い価値を加え、高い価格で買ってもらうプレミアム戦略」をさらに進め、収益性の向上を目指す考えだ。時代は令和に移り、家族のあり方やライフスタイルが変化した今日、最新テクノロジーは洗濯機を再び“神器”の座に押し上げられるだろうか。

シャツ1枚5分で終わる「スチームアイロンコース」にかけたシャツ(写真右)は、かける前のシャツ(同左)よりシワが軽減。消臭効果もある
シャツ1枚5分で終わる「スチームアイロンコース」にかけたシャツ(写真右)は、かける前のシャツ(同左)よりシワが軽減。消臭効果もある

(写真/福光 恵)