国内外39カ所で宿泊施設を運営する星野リゾート(長野県軽井沢町)。2019年10月9日に行われた定例会見で年明けのハワイ進出を発表した。以前からこの地で営業していたブティックホテルの運営を引き継ぎ、「星野リゾート サーフジャック ハワイ」として20年1月5日に開業する。
ハワイを足がかりに北米を狙う
同社は「星のや」「リゾナーレ」、19年に立ち上げた「BEB」(関連記事「星野リゾートの新ホテルは、土浦で『旅が面倒臭い若者』を狙う」)など、5つのサブブランドを展開。「星野リゾート サーフジャック ハワイはこの5つのサブブランドに当てはまらない個性的なホテルとして位置付けている」(星野代表)
17年1月にはインドネシア・バリ島に「星のやバリ」、19年6月には台湾・台中に「星のやグーグァン」を開業するなど、ここ数年、海外進出にも積極的だ。「国内の観光市場はまだ大きく、今の時点で海外を強化する必要性はない」(星野代表)。だが、若年層の国内旅行率は下がっている。少子高齢化も進み、国内旅行の市場規模縮小も予想される。「体力のある今だからこそ、将来を見据えて積極的に海外に出ていかなければならない。最終的な目標は北米や欧州」と星野代表は話す。
海外3施設目にハワイを選んだ理由を「(直行便も多く)日本からも行きやすいので、サポートがしやすいから」と同氏は明かす。
だが、狙いはそれだけではない。ハワイは日本人に人気の高い観光地だが、同地を訪れる年間約1000万人のうち、6割以上が北米からの観光客だ。「ハワイでの成功なくして、北米での展開はできない」(星野代表)。米国人観光客のデータも得られるハワイのホテルを足がかりに、同社は海外拠点のさらなる拡大を目指す。
同社は20年4月にも定例会見を行う予定。「その際に北米で進んでいるプロジェクトについても話したい」と星野代表は結んだ。