マシン開発からこだわった、その狙いとは

 台湾茶といえば、台湾の風情ある茶藝館などで昔ながらの作法通りにいれてくれる工夫茶(カンフーチャ)が有名だ。台湾の家庭でも台湾茶を飲む習慣があるが、「いれるのには専用の急須が必要だし、時間がかかる。だから若者は便利なドリンクスタンドなど外出先で飲むことが多い」と陳氏。

 台湾のドリンクスタンドは25年ほど前に登場。1975年生まれの陳氏も、学生の頃からドリンクスタンドをよく利用していた。大学卒業後はマクドナルドに就職したが、「若者向けの台湾茶専門店を作りたい」と起業。こだわりの茶葉で他店と差別化し、茶葉の違いを楽しみながら知ってもらえる店を目指した。ブランド名の「カムバイ」は、日本文化が好きなことから日本語の「乾杯」から名付けたという。

 台湾茶専門店を立ち上げるにあたって陳氏が重視したのは「一番新鮮で、健康的で、安定したお茶を提供すること」だった。台湾の一般の店舗で提供されるお茶は、いれてから時間がたっていることが多く、発酵しすぎているため体に良くないからだ。

 そこで陳氏はお茶の世界を改革するべく、おいしくいれるためのマシンにこだわった。茶葉の種類によって発酵度もいれる時間も異なることから、茶葉に合わせた圧力と温度により、わずか60秒でお茶を抽出するティープレッソマシンを世界で初めて開発。さらに短時間で抽出するためには、形状も重さも異なる茶葉を最適なサイズに細かく粉砕する必要があり、ティーグラインダーも独自に開発した。

台湾と欧州のチームで3年をかけて開発したオリジナルのティープレッソマシン。国際特許発明認証を取得済み
台湾と欧州のチームで3年をかけて開発したオリジナルのティープレッソマシン。国際特許発明認証を取得済み
茶葉に合わせた圧力と温度でわずか60秒でお茶を抽出する。工夫茶でお茶をいれると5分はかかるという
茶葉に合わせた圧力と温度でわずか60秒でお茶を抽出する。工夫茶でお茶をいれると5分はかかるという

 「抽出のプロセスは工夫茶をいれるプロセスと同じ。東方の茶道文化と西洋の技術との融合からマシンは生まれた。香りとおいしさは従来の数倍」と、陳氏は胸を張る。

 もちろん肝心の茶葉に対しても妥協を許さない。陳氏は自ら台湾各地の茶園や茶農家に足を運び、お茶の収穫から製造まで体験。茶道の先生に習い、茶のいれ方や味わい方など専門知識を身に付けた。現在、社内には30数年のキャリアがあるティーマスターが在籍。その目利きで選別された、台湾の契約茶農家から仕入れる特別な茶葉と、世界の山地から厳選した茶葉のみを使用しているのも、カムバイティーの大きな強みになっている。

茶葉は、茶農家と直接契約し、厳選した良質の茶葉のみを使用。ティーマスターが世界中から最適な品質と品種を厳選する
茶葉は、茶農家と直接契約し、厳選した良質の茶葉のみを使用。ティーマスターが世界中から最適な品質と品種を厳選する