大阪・難波に、開店と同時に満席になり、行列が絶えない和食レストランがある。「象印食堂」だ。象印マホービンが高級炊飯ジャーのプロモーションのために出店。開業半年で5万人以上のお客を集め、人気は今も衰えない。

人気のランチメニュー「象印御膳」は1600円(税別)。主菜は3種類から選べる。写真は19年の秋メニューの1つ「ゴロゴロ根菜と鶏の照り焼き」
人気のランチメニュー「象印御膳」は1600円(税別)。主菜は3種類から選べる。写真は19年の秋メニューの1つ「ゴロゴロ根菜と鶏の照り焼き」

 象印マホービン(以下、象印)が「象印食堂」をオープンしたのは2018年10月。複合施設「なんばスカイオ」の開業と同時のことだ。象印食堂プロジェクトのプロジェクトマネージャー、北村充子氏は「客数は予測の1.5倍以上。オープン半年ほどで約5万人が来店した」と言う。

 家電メーカーの象印がレストランを運営する狙いは、同社の高級家庭用炊飯ジャーのプロモーションのためだ。1台10万円以上する高級炊飯ジャーの市場は06年頃から形成されたが、その価格に見合う商品価値をいかに顧客に伝えるかは常に課題だったという。家電量販店で試食会も実施したが、ご飯のおいしさはおかずと一緒に食べることで、より実感できるものだ。

炊き立てのご飯の香りがほのかに漂うように、約30台の炎舞炊きはレジ横のオープンスペースに設置。順番に稼働させて、炊き立てを提供している
炊き立てのご飯の香りがほのかに漂うように、約30台の炎舞炊きはレジ横のオープンスペースに設置。順番に稼働させて、炊き立てを提供している

 そこで、象印では16年から毎年、ご飯が主役の定食を提供する象印食堂を期間限定で出店し、これまで東京や大阪、名古屋、札幌、福岡などで展開してきた。高級炊飯ジャーの性能を食べて確かめられる場として話題となり、限定100食の定食は連日完売。行列ができるほどの人気だった。その成功を基に、なんばスカイオに初めて常設店の象印食堂を構えることになった。

 なんばスカイオの象印食堂では、象印の最上位炊飯ジャー「炎舞炊き」を使用。レジの横に約30台の炎舞炊きを設置し、炊き立てのご飯が主役になる和定食を提供している。米は象印食堂用にブレンドしたものを使用。米の種類や炊き方を選ぶことができ、おかずは料理家の吉田麻子氏が監修している。

 「炊飯ジャーは家庭で使うものなので、おかずは誰でも再現できるように仕上げ、素材も高級商材ではなく、スーパーでそろえられるものを使用。盛りつけや器の使い方なども、まねしたくなるように見栄えに気を配っている」(北村氏)