フードホールに7480円のフカヒレ姿煮も

 もう1つのキーワードである「食」のゾーンは、地下の2フロアで展開。特にオープン初日から人気を集めているのが、ニューヨークスタイルの空間演出を取り入れた地下2階の「心斎橋フードホール」だ。総席数約350で、計13店舗が出店している。

 国内2店舗目のトリュフ専門店「Artisan DE LA Truffe PARIS(アルティザン ドゥ ラ トリュフ パリ)」やミシュランの一つ星を獲得した串揚げ料理専門店「あげもんや 六覺燈」、ソムリエや唎酒師(ききさけし)が常駐する「世界酒BAR セカサケ」、お肉の専門店スギモトで購入した神戸牛や松阪牛の調理も可能な「肉料理専門バル VOLER(ヴォレー)」、7480円(税込み)でフカヒレ姿煮が味わえる高級中華食材専門店の直営店「日本橋 古樹軒」など「百貨店クオリティーのテナントと店舗環境」(西阪店長)をそろえた。業務用食品メーカー、不二製油が手掛ける初の直営店「UPGRADE Plant based kitchen(アップグレード プラントベースドキッチン)」では、世界初の特許製法による豆乳で作ったチーズや大豆ミートの総菜を味わえる。

地下2階の心斎橋フードホールは地下鉄の駅直結で夜11時まで営業。パリに本店があるトリュフ専門店「アルティザン ドゥ ラ トリュフ パリ」では、人気のギフトボックスも販売
地下2階の心斎橋フードホールは地下鉄の駅直結で夜11時まで営業。パリに本店があるトリュフ専門店「アルティザン ドゥ ラ トリュフ パリ」では、人気のギフトボックスも販売
不二製油が展開する初の総菜専門店「アップグレード プラントベースドキッチン」。ミラノ博覧会に出品し、好評を博した豆乳のチーズや大豆ミートを使った創作デリを味わえる
不二製油が展開する初の総菜専門店「アップグレード プラントベースドキッチン」。ミラノ博覧会に出品し、好評を博した豆乳のチーズや大豆ミートを使った創作デリを味わえる

 西日本の百貨店では初めて事前オーダーシステムを導入した。スマホを使ってメニューの閲覧、注文、決済ができるシステム「プットメニュー」を利用すれば、席を確保した後、注文確定ボタンをタッチするだけ。列に並ぶ必要がなく、料理の出来上がりはスマホで知らせてくれる。顧客の利便性とテナント側の業務効率化を同時に図れるのが特徴だ。

利用者のスマホを使って12言語の注文と支払いができ、“注文0分”“会計0分”を実現した事前オーダーシステム「プットメニュー」を導入。スマホが呼び出しベルの代わりになるので、席で注文、決済して料理ができるのを待つだけ
利用者のスマホを使って12言語の注文と支払いができ、“注文0分”“会計0分”を実現した事前オーダーシステム「プットメニュー」を導入。スマホが呼び出しベルの代わりになるので、席で注文、決済して料理ができるのを待つだけ

 一方、地下1階にはハウス食品が手掛けるカレーの新業態「クワエル スパイス」など計62ブランドが集結。出来たてをその場で食べられるイートインスペースも充実させた。「デイリー食材を大幅に拡充し、来店頻度を高めることで、近隣の就業者を含めて人口増加傾向にある足元商圏をしっかり取り込んでいきたい」と西阪店長は話す。

スパイスの知識や技術を駆使したこだわりのカレーとスパイス料理を提供するハウス食品の新業態「クワエル スパイス」。3種のミックススパイスで味の変化を楽しめるオリジナルのビーフカレーがお薦め
スパイスの知識や技術を駆使したこだわりのカレーとスパイス料理を提供するハウス食品の新業態「クワエル スパイス」。3種のミックススパイスで味の変化を楽しめるオリジナルのビーフカレーがお薦め

 ただ、ファッションを中心とする収益構造を築いてきた百貨店ビジネスは近年、ECの台頭とアパレル不振により、苦境に立たされている。同店では従来の消化仕入れに加え、定期賃貸借契約のテナントを約6割導入。ハイブリッド型の収益構造で初年度890億円の売り上げを目指す。「ショッピングモールと異なり、百貨店は2年目、3年目に必ず伸びるビジネスモデル。我々は顧客を作りながら伸ばしていく。大丸心斎橋店はそういうモデルにフィットする店」と好本社長は自信を見せる。

(写真/橋長初代)