ポスト・タピオカドリンクとして話題を呼んだ台湾発のデザートドリンク「チーズティー」。そのチーズティーを手掛けたアパレル企業・ベイクルーズグループ(東京・渋谷)が次に仕掛けるのは、スクランブルエッグや目玉焼きを挟んだ“タマゴバーガー”だ。
米国では珍しい「半熟卵」がウケた
2019年9月13日、新宿駅南口の新宿サザンテラスに開業したタマゴ料理専門店「eggslut(エッグスラット)」。米・ロサンゼルスで11年に創業。現在は全米各地に5店舗、クウェートに1店舗、英・ロンドンに1店舗を展開する人気店で、日本は世界8店舗目となる。
同店が米国で人気を集めたのは「スラット」と呼ばれるメニューがきっかけだった。ゆでてからペースト状にしたジャガイモをガラスのビンに詰めて、その上に半熟タマゴをのせたものをバゲットですくいながら食べるシンプルな料理だが、これまで生や半熟でタマゴを食べる習慣がなかった米国人に、新鮮な驚きを与えた。他にもスクランブルエッグやビーフパティを使ったバーガーなど幅広いメニューをラインアップしており、観光客を含む幅広い層から支持を集めている。
エッグスラットの日本進出を手掛けたのはアパレル企業・ベイクルーズグループのフレーバーワークス(東京・渋谷)だ。同社は自社ブランド開発の傍ら、台湾のデザートドリンク・チーズティーを扱う「machi machi(マチマチ)」や米国ニューヨークに本店を持つロブスターロール専門店「LUKE'S(ルークス)」など、日本ではまだ知られていない現地の人気店を発掘し、新しい食のトレンドをつくってきた(関連記事「狙うはポスト・タピオカ 台湾発の新ドリンク『チーズティー』」)。海外の飲食店誘致に積極的な同社に目を付けたのが、日本進出を目指して協業先を探していたエッグスラットだった。
フレーバーワークス側も「タマゴ料理専門店」に興味を抱いた。「日本人はもともとタマゴ料理が好き。日本人になじみがあってどこか懐かしい味のするタマゴ料理は、広く支持されるはずだ」(フレーバーワークス広報)。
ここ数年、日本では「グルメバーガー」がブーム。本格的なビーフパティやバンズを売りにし、1個1000円以上する商品も珍しくない、いわゆる高級バーガーだ。エッグスラット新宿サザンテラス店ではオリジナルメニューとして、スクランブルエッグと半熟の目玉焼き、ビーフパティをはさんだボリューム感のあるバーガーを用意。「ポスト・グルメバーガーを狙う」(フレーバーワークス広報)。
エッグスラット新宿サザンテラス店は午前7時半から営業する。駅前かつオフィスビルが林立するエリアということもあって、出勤前に朝食目当てで立ち寄る客も多そうだ。今後3年間で合計3店舗を目指す。
(写真提供/フレーバーワークス)