日本コカ・コーラは2019年9月9日、秋の大型製品として新エナジードリンクを発表した。19年7月に「コカ・コーラエナジー」を発売したばかりだが、新製品は「エナジードリンクファンのニーズを満たす新しいコンセプト」の飲料だという。それほどまで“エナジー”に注力する同社の狙いとは。

2019年10月7日に発売する「リアルゴールド ドラゴンブースト」(250ミリリットル缶、税別185円)
2019年10月7日に発売する「リアルゴールド ドラゴンブースト」(250ミリリットル缶、税別185円)

短期的な効果より「パワー」の持続を狙う

 コカ・コーラブランドとして初のエナジードリンク「コカ・コーラエナジー」を、19年7月に発売したばかりの日本コカ・コーラ(関連記事「コカ・コーラがエナジードリンク再挑戦 撤退経験から見えた勝算」)。今回はリアルゴールドのラインアップの一つとして、新エナジードリンク「リアルゴールド ドラゴンブースト」を19年10月7日に発売する。

 製品コンセプトについて日本コカ・コーラマーケティング本部炭酸&エナジーカテゴリーバイスプレジデントの島岡芳和氏はこう語る。

 「既存のエナジードリンクに対する消費者の声を深く分析すると、効果の持続性などの不満が見えてきた。そこで一時的にパワーを引き上げる短期的なエネルギーチャージではなく、体の内側からパワーを持続させていくというのが今回の製品のコンセプト」(島岡氏)

 それを実現するため、定番のエナジードリンクの成分であるアルギニンやカフェインに加え、6種の東洋素材を配合した。「『東洋のエナジーチャージ』という新しい考え方に着目し、これまでにないエナジードリンクを生み出した」と島岡氏は胸を張る。

製品コンセプトは「内側からのパワーと持続力をブースト」させること
製品コンセプトは「内側からのパワーと持続力をブースト」させること

 6種の東洋素材は漢方の専門店・薬日本堂の協力を得て開発を進めた。これまでのエナジードリンクにはない、ユニークな配合だという。飲み口はミックスベリーやシトラス系ですっきりとしており、おいしさも追及している。実は薬日本堂とのコラボはこれが初めてではなく、「からだ巡茶」の開発でもタッグを組んでいる。

「リアルゴールド ドラゴンブースト」の成分
「リアルゴールド ドラゴンブースト」の成分

 リアルゴールド ドラゴンブーストのターゲットは、30~40代の男性だ。

 「現在のエナジードリンクの主な飲用者は、20~40代の男性で全体の65%を占めている。かつては20代の男性がエナジードリンク市場の成長をけん引してきたが、18年は30~40代の飲用者が増えた。今後の成長のためには、そのセグメントの飲用者を取り込むことが重要」(島岡氏)

エナジードリンクのポートフォリオを強化する

 リアルゴールド ドラゴンブーストは、発売39年目となる定番商品「リアルゴールド」のラインアップとして発売される。従来のリアルゴールドに「ドラゴンブースト」を導入することで、「エナジーカテゴリーのポートフォリオを強化していく」と島岡氏は話す。

コカ・コーラが考える、エナジーカテゴリーのポートフォリオ
コカ・コーラが考える、エナジーカテゴリーのポートフォリオ

 気になるのはコカ・コーラエナジーとのすみ分けだ。そもそもコカ・コーラはエナジー飲料市場をどのように見ているのか。

 「エナジー炭酸、栄養炭酸、エナジードリンク、この3つを構成するのがエナジー飲料の市場と考えている。消費者は気持ちや体の疲れ具合に応じて、それぞれ異なる価値を求めて製品を飲み分けている。エナジー炭酸はのどの渇きをいやしたいときや、元気が欲しいときに選ばれる。栄養炭酸は仕事の合間や疲れたときに、気持ちのスイッチを入れるイメージ。エナジードリンクは心身ともに疲れたときに、元気を前借りして自分にムチを入れたいときに飲まれることが多い」(島岡氏)

消費者がそれぞれのエナジー飲料に求める価値
消費者がそれぞれのエナジー飲料に求める価値

 ここ数年、飲料市場の成長をけん引しているのはエナジードリンクだという。そこでコカ・コーラは、19年7月にコカ・コーラエナジーでこのセグメントに再参入した。発売から5週間で2000万本を出荷し、エナジードリンクの市場規模が3割以上拡大したという。市場拡大につながるほどの順調な滑り出しだったようだ。

 今回のリアルゴールド ドラゴンブーストも、同じくエナジードリンクのセグメントとなる。

 「コカ・コーラエナジーは老若男女問わずに愛されているコカ・コーラブランドの強みを生かし、20~30代の男女を中心にエナジードリンク市場を拡大してきた。飲用者を市場の外から連れてくるのがコカ・コーラエナジーだとしたら、今回のリアルゴールド ドラゴンブーストは新しい価値の提供によって、市場の中で飲用頻度を増やすのが狙い。ドラゴンブーストの導入で、リアルゴールドのトレードマークはあらゆるカテゴリーに登場する。特に成長しているエナジードリンクのセグメントで、コカ・コーラエナジーとドラゴンブーストの2つ製品を展開し、市場でしっかり戦ってきたい」(島岡氏)

 島岡氏はそれぞれターゲットを分け、エナジードリンクのカテゴリーで両立させようと考えている。コカ・コーラエナジーが好調だっただけに、新製品にも期待が高まる。東洋素材を武器に持続性を打ち出したコンセプトが消費者にはまれば、エナジードリンク市場の拡大に勢いがつきそうだ。

日本コカ・コーラの島岡芳和氏
日本コカ・コーラの島岡芳和氏

(写真/梶塚美帆、資料画像/日本コカ・コーラ)