ここ最近、若い女性に広がっている「○○好きな人と繋(つな)がりたい」というハッシュタグ。そこには情報だけではなく、「つながり」を求める若い世代の思いがあった。

知りたい情報だけでなく、仲間探しもハッシュタグを活用する時代に ※写真はイメージ(REDPIXEL.PL/ShutterStock)
知りたい情報だけでなく、仲間探しもハッシュタグを活用する時代に ※写真はイメージ(REDPIXEL.PL/ShutterStock)

同じ趣味を持つ人を探すためのハッシュタグ

 若い世代を中心に、Web検索よりもTwitterやInstagramのハッシュタグ(#)検索で情報を得るという人が増えている(関連記事「今どきの“ググらない”若い女性の情報収集と購買行動」)。人気のタピオカ店など行列必至の店でも、来店前にハッシュタグに店名を付けて検索すれば、メニュー写真や混雑状況まで分かる。SNSはリアルタイムに情報を得るツールと化しているようだ。

 だが、若い世代がハッシュタグ検索に求めるのは情報の速さだけではない。ここ最近、女性を中心に広がっているのが「#○○好きな人と繋がりたい」というタグ。旅行、コスメ、料理、犬や猫などのペットといった、自分の好きなものをSNSに投稿する際に、上記のタグを付けて拡散する。すると同じ趣味を持った人からフォローされたり、コメントされたりなどして、SNS上での交流が生まれるという。情報の信頼性よりも、同じような趣味を持った人と“緩くつながる”ことを目的としたタグと言える。

ハッシュタグ投稿・検索から「リアルにつながる」

 このハッシュタグを使って、好きなアイドルのファン同士でつながるケースも多く見られる。15~24歳の若い世代に特化したマーケティング研究機関「SHIBUYA109 lab.(シブヤイチマルキューラボ)」は、アイドルやミュージシャンのファンであることや、そのファン活動にお金や時間を費やすことを「ヲタ活」と定義。2019年8月20日公表した調査結果を基に「SNSに『ヲタ活専用アカウント』を作り、同じ趣味を持つ仲間である『ヲタ友』を探すためにハッシュタグを活用した投稿を行っている」(SHIBUYA109 lab.)と指摘する。

 SHIBUYA109 lab.がヲタ活について商業施設「SHIBUYA109渋谷」館内でのアンケートとグループインタビューを行ったところ「ヲタ友を作るためにSNS上で実施したこと」として、「ハッシュタグをつけて投稿」と答えた人が59.3%。「ハッシュタグ検索」と答えた人が55.7%にも上った。

 さらに「ヲタ友とつながるために使っているハッシュタグ」について聞くと、「#アーティストやコンテンツの名前」に次いで、「#○○好きな人と繋がりたい」と回答した人が多いことが分かった。

「ヲタ友を作るためにSNS上で実施したこと」として、「ハッシュタグをつけて投稿」「ハッシュタグ検索」という回答が半数以上にも上った
「ヲタ友を作るためにSNS上で実施したこと」として、「ハッシュタグをつけて投稿」「ハッシュタグ検索」という回答が半数以上にも上った
「ヲタ活の対象コンテンツによっては、専用のハッシュタグが設定されているケースもある」(SHIBUYA109 lab.)
「ヲタ活の対象コンテンツによっては、専用のハッシュタグが設定されているケースもある」(SHIBUYA109 lab.)

 SNSで知り合った仲間と実際に会うケースもある。「ヲタ活で知り合った友達との交流経験」について詳しく聞いたところ、「SNS上での情報交換」に次いで、「コンサート会場で会った」「ヲタ活以外でも仲良しの友達として出かけた」と答えた人が多かった。

ヲタ活で知り合った仲間と、応援している“推し”の誕生日を祝うこともあるという
ヲタ活で知り合った仲間と、応援している“推し”の誕生日を祝うこともあるという

 「SHIBUYA109館内では毎月20歳前後の女性を対象に調査を行っているが、『同じアイドルのファン同士としてSNSで知り合った』というグループも珍しくない。SNSで知り合った人とリアルな場で交流することに抵抗が薄いのは、今どきの若い女性の特徴」(SHIBUYA109 lab.)

 ハッシュタグ投稿や検索で趣味の合う仲間を見つけ、実際に会って友達になる。インターネットのコミュニティーでつながった仲間がリアルの場で集まる「オフ会」という言葉があるが、若い世代にとってはハッシュタグがコミュニティーの代わりとなり、オフ会への入り口になっているのかもしれない。

(データ提供/SHIBUYA109 lab.)

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