滞在時間の延長で客単価を上げる

 新業態と事前予約制の導入で同社が狙うのは、1人当たりの滞在時間の延長とそれによる客単価の向上だ。

 スターバックスの店舗数はこの10年間で約1.6倍になったが、オフィスビル内などカウンター席中心の店舗も増えた。そのため「日本の従来型の店舗には1人で来店する客が多く、滞在時間が30分~1時間程度」(スターバックス広報)。ドリンクのみ、もしくはドリンクとサンドイッチそれぞれ1品の利用であれば、客単価は400~800円というところだろう。

 だが、ロースタリー 東京の成功で流れが変わった。国内初の焙煎工場併設型店舗という物珍しさもあったかもしれないが、プリンチやオリジナルのコーヒードリンク、アルコール目当ての客も多く、「平均滞在時間は2~3時間」(同社広報)。他の店舗でもメニューを拡充して食事からデザートまで対応すれば、平均滞在時間を延ばし、客単価を上げられると気づいたのだろう。手始めに新業態ではランチも提供する。11~14時限定で、サラダやラザニアを組み合わせたプレートを販売する。

ランチプレート「TAVOLA(タボラ)」(1180円税別、ドリンク別)はサラダやラザニア、フォカッチャなどを組み合わせたランチプレート。11~14時限定で持ち帰りも可能。14時以降はサラダやラザニア単品での販売も行う
ランチプレート「TAVOLA(タボラ)」(1180円税別、ドリンク別)はサラダやラザニア、フォカッチャなどを組み合わせたランチプレート。11~14時限定で持ち帰りも可能。14時以降はサラダやラザニア単品での販売も行う

アルコールやランチメニューでピークタイムの分散も

 新業態の狙いは他にもある。昼食後から夕食前に集中しがちな客の分散だ。スターバックスについて、食事をする場所というよりもティータイムの休憩場所と考えている人は少なくないだろう。実際「ピークタイムは14~18時」(同社広報)となっている。

 しかしロースタリー 東京はグラノーラとヨーグルトなど朝食限定のメニューやアルコールを充実させ、来店時間を朝から夜まで広く分散させた。代官山のプリンチが時間帯によって提供メニューを変え、「1日中楽しめるイタリアンベーカリー」を打ち出しているのも同じ目的だろう。新業態で導入する夕夜間の事前予約制も、夕食時に他店に流れていた客を食い止める手立てとして効果を上げそうだ。

 スターバックス リザーブ ストアの今後の展開は未定。しかし、「既存店のリニューアルや新規開業も含め、首都圏を中心に出店の可能性はある」と石原氏は話す。

(写真提供/スターバックス コーヒー ジャパン)