食べ歩きの人気がティースタンドの進出を促進

 日本でも食べ歩きを楽しむ人が増えたことが、ティースタンドが日本に進出する要因になったと呉氏は言う。

 「日本に留学していた04年当時は、歩きながらドリンクを飲んでいると『行儀が悪い』と言われました。でも台湾では別に悪いことではない。私たちの言葉で“自在”と言うのですが、年間100万人以上の日本人が台湾を訪れるようになったことや、食べ歩きをしている外国人の写真をSNSで目にする機会が増えたことで、台湾の開放的で自由なスタイルを日本人も楽しむようになったのでしょう」

 食べ歩きについては、ごみのポイ捨てなどを問題視する声もあるが、若者に人気のスポット「渋谷109」の調査によれば、20歳前後の若者は「食べ歩き」を支持しているという。

 実際、渋谷109はその調査結果を受けて、地下2階に「食べ歩き」をテーマに掲げた食のフロア「MOG MOG STAND(モグモグスタンド)」を19年6月末にオープンした。もちろん同フロアには、プレディクトが関東を中心に店舗展開している台湾発のスペシャルティードリンク専門店「Chatime(チャタイム)」もある。

モグモグスタンドでは店舗ごとにフォトスポットを用意。こちらはChatimeのフォトスポット2つのうちの1つで、だまし絵のような構図になっている
モグモグスタンドでは店舗ごとにフォトスポットを用意。こちらはChatimeのフォトスポット2つのうちの1つで、だまし絵のような構図になっている

中国でブームのチーズティーが日本でも注目される

 タピオカミルクティーに続いては、チーズティーがブームになる可能性があると呉氏。「チーズティーも台南発祥ですが、『喜茶(HEY TEA、シィーチャ)』という台湾のコンセプトを受け継いだ中国のブランドが急速に店舗を増やしています」

 チーズティーは、塩気のきいたクリームチーズの味わいと爽やかな台湾茶のバランスを楽しめるのがポイントだ。12年に中国の深セン市に登場した喜茶は、若い女性をターゲットにしたピンク色の店舗をはじめ、さまざまなスタイルの店舗が特徴として一気に人気店になった。中国本土だけでも290店舗を展開(19年8月現在)、台湾や香港、シンガポールにも進出している。

 喜茶によって注目されたチーズティーは、香港のマックカフェがメニューに取り入れたほどの人気ぶり。喜茶は海外進出にも積極的なので、日本上陸も時間の問題とみていいだろう。

台湾の喜茶。「HEY TEA GO」は持ち帰り専用のティースタンドで、店内には座席がない
台湾の喜茶。「HEY TEA GO」は持ち帰り専用のティースタンドで、店内には座席がない
香港のマックカフェでは、チーズフォームをトッピングした6種類のドリンクを展開。中華圏ではチーズティーが人気となっている
香港のマックカフェでは、チーズフォームをトッピングした6種類のドリンクを展開。中華圏ではチーズティーが人気となっている

 タピオカミルクティーの勢いに隠れているが、実は、チーズティーを提供する店舗は、すでに日本にもある。19年6月にラフォーレ原宿の2階にオープンした、台湾発のチーズティー専門店「麥吉(machi machi、マチマチ)」がそれだ。

麥吉は、台湾メディアに「神のチーズティー」と称された現地でも人気のブランド
麥吉は、台湾メディアに「神のチーズティー」と称された現地でも人気のブランド

 麥吉は19年7月に日本2号店をルミネ横浜2階に、8月には関西初の店舗をJR京都駅構内にオープンするなど、順調に店舗数を増やしている。麥吉の店舗展開によってチーズティーの認知度が上がり、先述の喜茶が日本に進出してくるようなら、タピオカミルクティーに続いてチーズティーブームが来るかもしれない。

(写真/北本 祐子)


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