2019年3月から段階的に進められている伊勢丹新宿店本館のリニューアル。19年8月28日には2階婦人靴フロアと4階ジュエリーショップがリフレッシュオープンした。リアル店舗ならではのおもてなしを柱に、3D計測器などの技術を活用した商品提案を実施。ジュエリー売り場も高級感を増した。

婦人靴フロア、ジュエリーショップがリフレッシュオープンした伊勢丹新宿店本館
婦人靴フロア、ジュエリーショップがリフレッシュオープンした伊勢丹新宿店本館

EC時代、百貨店ならではの「おもてなし」を追求

 2012年以来7年ぶりの大規模リニューアルとなった「婦人靴フロア」の目標は、「おもてなしの向上とデジタルの融合」(三越伊勢丹婦人・雑貨・子供MD統括部 新宿婦人雑貨営業部計画担当長兼カスタマー担当長兼オペレーション担当長の沖田篤史氏)。高級ブランド商品を紹介する「プレステージゾーン」のブースを120%拡大したうえで、ブランドを横断して比較購買ができるよう、これまで一部はブランドごとに区切っていた仕切りを取り払った。ブランドごとに配置していた販売員も、ブランドの垣根を越えた接客が可能になったという。

本館2階の婦人靴フロアに登場した「IT SHOESコーナー」では、旬のラグジュアリーブランドを集めてテーマに沿った商品をセレクトし、ブランドミックスで紹介する
本館2階の婦人靴フロアに登場した「IT SHOESコーナー」では、旬のラグジュアリーブランドを集めてテーマに沿った商品をセレクトし、ブランドミックスで紹介する

 そもそも百貨店の強みである“おもてなし”にスポットを当て、その向上を改めて打ち出した背景には、ECの台頭という流れがありそうだ。

 「今はECで誰でもいつでも買い物できる時代。そこで百貨店というリアル店舗ならではのおもてなしとして、ラグジュアリーブランドのゆったりした空間づくりなどに注力した。売り場にはセレクトゾーンを設け、例えば今はレオパード(ヒョウ柄)をテーマに、ブランドミックスでレオパードの商品をセレクトして紹介するコーナーも設けた」(三越伊勢丹特選MD統括部 婦人靴 マーチャンダイザーの松村佳美氏)

 ゆったり感や華やかさが増した婦人靴のフロアで、ひときわ目を引く“機器”がある。どこかオブジェのように売り場に溶け込んでいる3Dプリンターだ。今回のリフレッシュオープンでは、おもてなしの一環として、テクノロジーを活用した靴の新たな買い方をいくつか提案。その1つが、デンマーク発のシューズブランド「エコー」のブースで提供するオーダーサービスだ。

その場でミッドソールを作るための3Dプリンターが、ラグジュアリーな婦人靴売り場に意外にマッチしている
その場でミッドソールを作るための3Dプリンターが、ラグジュアリーな婦人靴売り場に意外にマッチしている

 オーダーとはいえ、カスタマイズするのは靴そのものではなく、エコーのスニーカーの底と中敷きの間に挟むミッドソール。センサーが入った特殊な靴を履いて約30秒歩くと、コンピューターが足の形のデータと歩き方のデータを解析し、その人の足や歩行に合ったミッドソールを売り場の3Dプリンターで作成する。完成までに1時間ほどかかる。

「ECCO」の測定に使われるランニングマシン。ここで一定時間歩くことで、歩行のクセが数値化される
「ECCO」の測定に使われるランニングマシン。ここで一定時間歩くことで、歩行のクセが数値化される