2019年8月8日、「スター・ウォーズ」シリーズの世界巡回展「STAR WARS Identities: The Exhibition」(以下、スター・ウォーズ・アイデンティティーズ)が東京・東品川の寺田倉庫で始まった。貴重な資料を集めた展示と、オリジナルキャラクターを作れるインタラクティブ体験が目玉だ。
スター・ウォーズ・アイデンティティーズは2012年からカナダ・モントリオールを皮切りに8カ国12都市を巡回してきた展覧会だ。カナダ・モントリオールの X3プロダクションズがルーカスフィルムと共同制作したもので、日本ではソニー・ミュージックソリューションズが企画制作・運営を行っている。開催は20年1月13日までで、今年12月20日に日米同時公開予定の映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』に向けて、ちょうどよいタイミングでの開催となる。主催者側は映画のプロモーションではないとしているが、映画の話題とともに人気を集めそうだ。
特長は、展示のほかにインタラクティブ体験が楽しめる体験型ミュージアムになっていることだ。まず入場時にヘッドセットとID付きブレスレットを渡されるので、これを身に着ける。ヘッドセットは展示物の説明を聞くためのもので、ブレスレットはインタラクティブ体験用のものだ。
会場内は展示物とインタラクティブ体験スペースが交互に配置されている。展示物は約200点で、登場キャラクターの初期設定画やコンセプトアートのほか、実際の撮影に使われた衣装、小道具、登場メカの模型など盛りだくさん。本物を間近で見られる貴重な機会で、初公開の展示物も多いという。展示物の多くは米ロサンゼルスに設立されるルーカスフィルムミュージアムに収蔵予定で、日本で見られるのはこれが最後かもしれない。
インタラクティブ体験は、10カ所ある専用スペースでブレスレットをセンサーにタッチしてスタート。それぞれのスペースで好きな種族や星を選んだり、ルーレットでどんな体験をしてきたか決めたり、設問に答えていくと、それらを反映した自分の分身のようなオリジナルキャラクターが作れる。
知力や創造力など自分がどんな能力を持っているか、両親が自分をどう育てたか、どんな環境で育ったか、自分の性格をどう捉えているかといった設問が中心で、自分自身を見つめ直して再発見する体験ができる。つまり展覧会のタイトルにもある“アイデンティティー”を探っていくわけだ。子供でも楽しめるが、むしろ古くからスター・ウォーズを知る大人にこそ向いたコンテンツだ。
作ったキャラクターのグラフィックや設定は、指定したメールアドレスに送られてくるので展示を見た後もスマホやパソコンで楽しめる。ツイッターやフェイスブックで共有できるので、友人知人とお互いのキャラクターを見せ合うのも楽しいだろう。
入場時間が決まっている日時指定制で、前売り券が大人3200円(中学生以上)、小人2000円、小人1人以上を含む家族4人が入場できる親子チケットが1万円。当日券は大人3500円、小人2300円となっている(いずれも税込み)。展覧会のチケットとしては高額だが、日時指定制で比較的ゆったり会場を回ることができ、展示物を見ながら説明を聞いて、インタラクティブ体験をするだけで数時間は楽しめそうだ。
(写真/酒井康治)