ライオンがオーラルケアブランドの「クリニカ」で、力を入れすぎると「カチッと鳴る」新機構を備えた日本初の歯ブラシを発売する。人によってバラバラだった歯磨きに“答え”を提示した意欲作だ。その狙いとは?
オーラルケア首位のライオンが誇るロングセラーブランド「クリニカ」の快進撃が続いている。クリニカは、「予防歯科」を旗印に掲げた2014年からのマーケティング改革によって、V字回復を果たした(関連記事「ライオン『クリニカ』売り上げ5割増 異論抑えた決断の裏側」)。2019年に入ってもトレンドは変わらず、1~6月のブランド計で前年同期比107%と大幅に伸長している。
その原動力となっているのが、19年2月に立ち上げた新シリーズ「クリニカアドバンテージNEXT STAGE」だ。オーラルケア意識が高まり、大人の残存歯は増加傾向にあるが、同時に虫歯が増えるリスクが高まっていることに着目。歯茎下がりで露出した歯の根元にできる虫歯(根面うしょく)や、治療した部分に再びできる虫歯(二次うしょく)に対応する高付加価値シリーズとして、第1弾は歯磨き粉を発売した。
その結果、既存のアドバンテージシリーズの顧客層は20~30代が中心だったが、NEXT STAGEには40~50代が強く反応。「新製品が上乗せする形で、クリニカの歯磨き粉ジャンル計では前年同期比110%の二桁成長、販売単価も平均6円アップしている」(ブランドマネジャーの横手弘宣氏)という。
ブラッシング荷重を「制御」する
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