マンツーマン英語教室などを運営する恵学社(京都市)は2019年7月4日、アイード(東京・品川)の多次元音声評価技術を利用した英語スピーキング力評価ツールを導入した。狙いは同社の講師による採点の負担軽減と評価の均質化。この評価ツールを利用することで受講者の学習効率も向上するという。

「第二語習得研究」に基づくトレーニングにより、短期間で飛躍的に英語力を伸ばせると評判のイングリッシュカンパニーが強力なツールを手に入れた
「第二語習得研究」に基づくトレーニングにより、短期間で飛躍的に英語力を伸ばせると評判のイングリッシュカンパニーが強力なツールを手に入れた

AIが模範解答以外の正解も評価

 恵学社は、「パーソナルトレーナー(講師)」によるマンツーマンのレッスンを提供する短期集中型英語教室「StudyHacker ENGLISH COMPANY(イングリッシュカンパニー)」などを運営している企業。アイードは、中国のCHIVOX社が開発した発音解析プログラム「CHIVOX(チボックス)」を日本国内で独占販売している。

 「CHIVOX」ではAI(人工知能)が発音を解析するが、その精度は中国・江蘇省などの自治体が高校や大学入試のスピーキング採点システムに採用しているほど。中国英語教育市場におけるシェアは約50%に上り、世界でも、132の国と地域で1000社以上の製品に導入されている。

英語学習の効率化に向けて恵学社とアイードが協業。「CHIVOXオープンクエスチョンカーネル」を利用した評価ツール を開発した
英語学習の効率化に向けて恵学社とアイードが協業。「CHIVOXオープンクエスチョンカーネル」を利用した評価ツール を開発した

 これに対し恵学社が導入した評価ツールは、「複数の解答が想定される問い」にも対応可能な「CHIVOXオープンクエスチョンカーネル」を採用した点が新しい。例えば、ある写真について1文の英語で説明するという設問の場合、解答はその写真を見た人の印象によって変わってくる。ところが新しい評価ツールでは、写真の説明として正しい英文ならば正解とした上で、語彙の豊富さや発音・抑揚の正確さ、流暢(りゅうちょう)さなどを評価できるという。類義の英単語がいくつかある場合は、より模範解答に近い単語を使うと評価が上がる。

上の写真の説明としては「椅子が3脚ある」「テーブルが3卓ある」といった解答が考えられる。新しい評価ツールでは、どちらも正解とした上でスピーキング力を評価できる
上の写真の説明としては「椅子が3脚ある」「テーブルが3卓ある」といった解答が考えられる。新しい評価ツールでは、どちらも正解とした上でスピーキング力を評価できる

 イングリッシュカンパニーでは従来、受講者ごとのスピーキング力を担当講師が採点していた。今回の評価ツール導入は、採点を効率化して講師の負担を減らすとともに、講師によってばらつきのある評価の均質化を図るのが狙いだ。とはいえ、スピーキング力の評価はツールの採点だけで完結するものではない。イングリッシュカンパニーによれば「ツールと講師の関係は、病院における血液検査と医師のようなもの。ツールの採点を参考にすれば、講師による評価や課題発見の精度が上がる」とのことだ。

 恵学社の岡健作社長は「科学技術の進歩は英語学習者の学習生産性を向上させてきた。恵学社もAIをいち早く取り入れ、英語学習をより効率的なものにしていきたい。今回の取り組みで、私たちが掲げる“時短英語”、より短い時間で効率的に学びの成果を得るという理想に近づいた」と語った。

受講者は、最寄りのイングリッシュカンパニーの教室へ出向いて評価ツールによるスピーキング力テストを受ける
受講者は、最寄りのイングリッシュカンパニーの教室へ出向いて評価ツールによるスピーキング力テストを受ける

(写真提供/恵学社)