日本コカ・コーラ(東京・渋谷)は東京五輪の公式緑茶という強みを生かし、2020年までに「綾鷹」のマインドシェア(意識に占めるブランドの占有率)を1位にすると宣言。公式緑茶としての認知度向上を図りつつ、五輪との結び付きを訴求することで、緑茶における純粋ブランド想起率20%を目指す。

東京オリンピック・パラリンピックの公式緑茶をアピールする新デザインボトルは、大会エンブレムを4色で表現している
東京オリンピック・パラリンピックの公式緑茶をアピールする新デザインボトルは、大会エンブレムを4色で表現している

 日本コカ・コーラは2019年6月26日、東京オリンピック・パラリンピック(東京2020)を最大限に活用する事業戦略を発表した。同社によれば国内の緑茶市場は過去10年間にわたって年平均3%で成長しているが、綾鷹の伸びは市場を上回るという。今回、五輪初の“公式緑茶”に認定されたことで、現在2位に甘んじている緑茶市場におけるマインドシェアでトップを目指す。日本コカ・コーラのマーケティング本部ティーカテゴリ緑茶グループグループマネジャーの助川公太氏は「現状10人に1人が『日本のお茶と言えば綾鷹』と認識している。その割合を5人に1人にしたい。綾鷹らしいアプローチを強く意識して活動する」と意気込む。

緑茶市場でのマインドシェアを現在の13%から20%にするのが目標
緑茶市場でのマインドシェアを現在の13%から20%にするのが目標
日本コカ・コーラの助川公太氏「綾鷹らしさでマインドシェア1位を目指す」と意気込む
日本コカ・コーラの助川公太氏「綾鷹らしさでマインドシェア1位を目指す」と意気込む

「静」と「動」ですみ分け、“心を整える緑茶”

 日本コカ・コーラは公式緑茶としての綾鷹と他の飲料とのすみ分けを明確にするため、綾鷹らしさを訴求するキャッチフレーズに「心を整える緑茶」を掲げる。綾鷹のブランドアンバサダーには、東京2020大会開閉会式の統括責任者でもある狂言師・野村萬斎を起用した。

 「五輪ではアスリートにも観客にも、感情が高まる“動”の時間と、心を落ち着かせて準備する“静”の時間がある。綾鷹のコンセプトでもある急須でいれたお茶は老若男女問わず“静”の状態にして、気持ちを整えてくれる」と助川氏。「今回の綾鷹と五輪とのつながりを伝えるのには適任」と野村を起用した理由を説明した。

2017年からブランドアンバサダーを務める吉岡理帆(左)と新たに起用された野村萬斎(右)
2017年からブランドアンバサダーを務める吉岡理帆(左)と新たに起用された野村萬斎(右)

3つのステップでブランド戦略を図る

 消費者への訴求はテレビCMの他、SNSや店頭訴求、交通広告など、多面的に展開する。

 プロモーション期間は3つに分ける。まず19年後半から年末にかけて、東京2020とのつながりの認知を最大化する。20年前半は聖火リレーイベントなどを活用した興味喚起、20年後半から大会期間中にかけてはブランド価値のさらなる理解を促進する計画だ。

 07年に発売され、12年目を迎える綾鷹。発売当初はプレミアム緑茶を好む30~50代の男性がメインユーザーだったが、425ミリリットルに加え500ミリリットル、2リットルと容量のバリエーションを増やしたり、フレーバーを増やしたり、トクホ飲料を追加したりと、ブランドを多角的に活用したことで女性ファンも増やしてきた。

 東京2020を活用して国内での綾鷹ブランドが定着すれば、インバウンドへのアピールにもつながり、輸出も見込める。初の五輪公式緑茶としてのブランド戦略の成否は、綾鷹がグローバルブランドへと成長できるかどうかの分かれ目となるだろう。

(写真/北川聖恵、写真提供/日本コカ・コーラ)