試合や選手を身近に感じてもらう工夫

「B.LEAGUE AWARD SHOW 2018-19」の入場シーン。駆けつけたファンとハイタッチ
「B.LEAGUE AWARD SHOW 2018-19」の入場シーン。駆けつけたファンとハイタッチ

 プロモーションには欠かせないSNSのフォロワーも年々増加している。全フォロワー数は、Twitter、Facebook、Instagramの合計で約48万人にも上り、18年から16%増となった。SNSの運営はどのように行っているのか。

BリーグのSNSアカウント数の推移
BリーグのSNSアカウント数の推移

 「全クラブにSNSのアカウントを開設してもらっているほか、各クラブで選手個人でアカウントを持ってもらう決まりもある。基本的にはクラブが主導で運営していて、それぞれのクラブの色が出るような投稿が多い。リーグ側で投稿する内容は、両チームどちらにも加担しない白熱した試合を切り取った動画や、全クラブで行うイベントの投稿が中心」(兼井氏)とのこと。

 リーグ側とクラブ側で共有・連携している部分もある。フォロワーの増加数やリツイート、インプレッションが良かった投稿などは、毎月データを共有している。オールスターゲームではリーグ側が撮った集合写真をすべて共有する。その他「皆でトレンド1位を目指して、同じハッシュタグを付けて同時刻に投稿したり、クラブや選手がインスタライブをしたり……」(兼井氏)。

 地域密着もBリーグの強みの1つ。19年1月、富山県で開催されたオールスターゲームは大成功を収めた。

 「富山にはグラウジーズというチームがあるが、リーグ主催のオールスターゲームは、各チームや富山出身のエースが集まるので、バスケの面白さを知ってもらう大きなチャンス。選手にローカル番組に出演してもらってPRした。B1全クラブのマスコット18体を集めたが、これは老若男女を問わない面白さがあったと思う」(兼井氏)

 オールスターゲームは、約半年前から告知が始まる。その間、街中にポスターが貼られたり、出場選手を決めるファン投票が行われたりと、開催前から盛り上がる。オールスターゲームの時期に地元紙が行った小学生対象のアンケートで、プロバスケットボール選手が「将来なりたい職業」の第1位になったという。Bリーグではバスケットボール選手やBリーガーになりたい子供を増やす目標があるため、「奇跡のようだ」と兼井氏は喜びを隠さない。

 みんなが楽しめることは何だろう――。そう考えて作られたコンテンツや施策が、チームや地元の人々などを巻き込み、多くの女性客を呼び込んでいる。ターゲットを絞りすぎず、どの観客も楽しませる工夫を丁寧にしていけば、子供もファンになる。成長していくBリーグには、エンターテインメント事業の本質が詰まっていた。

(写真提供/B.LEAGUE)