まずはアスリート向けのG-SHOCKを開発

 07年以降は日本だけでなく、海外でも販売数が大きく伸び始めた。そのときに心掛けたことは、各国の需要に合わせたイベント開催やアンバサダーの起用など、地域に根付いたマーケティングだ。まず米国に力を入れ、欧州、香港、東南アジアへと広げてきた。現在大きく伸びているのはインドネシアやベトナムなどの東南アジアとインドで、中国もこれから大きく伸びると見ている。

 21年に年間出荷1200万個を実現するために、カシオ計算機が取り組んでいるのがG-SHOCKのスマート化だ。20年にはG-SHOCK初のスマートウオッチ(G-smart)を発売する。世界的な健康意識の高まりによるスマートウオッチ市場の拡大を見込み、その市場でのシェア獲得を目指す。

2021年度には時計事業全体で2000億円の売り上げを目指す。中核を担うのはG-SHOCKシリーズだ(画像提供:カシオ計算機)
2021年度には時計事業全体で2000億円の売り上げを目指す。中核を担うのはG-SHOCKシリーズだ(画像提供:カシオ計算機)

 現在のスマートウオッチ市場ではApple Watchが人気だが、「競合する可能性は低い」(増田専務)と見ている。スマートウオッチは搭載する機能がほぼ出尽くしており、特定用途以外はデザイン、ブランドで選ぶ時期に入っている。G-SHOCKを求める人とApple Watchを求める人はあまりかぶらないと考えている。

 「スマートウオッチはすでにコモディティー化が進んでいてデザインも画一化してくるだろう。その中でG-SHOCKらしい機能やデザインの製品を実現したい。まず目指しているのは、基礎トレーニングに使えるようなアスリート向けのスマートウオッチだ」(増田専務)

G-SHOCKシリーズで、スマートウオッチのデファクトスタンダード獲得を目指す(画像提供:カシオ計算機)
G-SHOCKシリーズで、スマートウオッチのデファクトスタンダード獲得を目指す(画像提供:カシオ計算機)

 G-SHOCKが独自OSを採用するのか、米グーグルのWear OSを採用するのかが気になるところだ。カシオ計算機はアウトドアウオッチ「PRO TREK Smart」でWear OSを採用しており、G-SHOCKのスマートウオッチでも採用される可能性はあるだろう。

 「G-SHOCKは、いろいろなことができる包容力のあるブランド。それは堅ろうな時計という基本があるから。これからもそれを大事にしつつ、従来の時計の概念にない新しい形を生み出して、世の中に提案していきたい」(増田専務)

 スマートウオッチ市場は年々拡大して、時計市場全体の中で占める割合が大きくなってきた。アップルやガーミンなど異業種から参入したメーカーも多い。カシオ計算機はG-SHOCKシリーズを軸に、スマートウオッチ市場でも存在感を発揮できるだろうか。

カシオ計算機株式会社 取締役専務執行役員 開発本部長 兼 事業戦略本部 時計BU 事業部長 増田裕一氏
カシオ計算機株式会社 取締役専務執行役員 開発本部長 兼 事業戦略本部 時計BU 事業部長 増田裕一氏