aiboそのものは医療機器ではないが……

 aibo自体は医療機器ではないため、認知症予防などに効果があると断言できない。しかしソニーでは、コミュニケーションの促進に役立つ、あるいは癒やしの効果に「一定の効果は期待できるのでは」と見ている。aiboなら人に運動を促すことも可能になるほか、前述の「aiboのおまわりさん」といった機能も含め、「認知症の高齢者やその家族にとって役に立つものになることを期待している」と矢部氏は締めくくった。

 日本認知症予防学会の浦上克哉理事長は、aiboにはアニマルセラピーと同様の効果が期待できるうえ、排せつの世話や感染症といったデメリットがないと語った。そうしたaiboの特徴は抵抗力の落ちた高齢者にとっては適しているという。同学会はaiboのコミュニケーションツールとしての効果を科学的に検証し、認知症対策への活用を探っていく。

2019年6月28日まで開催されている「認知症なっても展」。認知症への理解を深めるためのパネルや、さまざまな企業や渋谷区の認知症への取り組みを紹介
2019年6月28日まで開催されている「認知症なっても展」。認知症への理解を深めるためのパネルや、さまざまな企業や渋谷区の認知症への取り組みを紹介

 渋谷区役所15階のスペース428では、2019年6月14日から28日までの間、「認知症なっても展」を開催。これは「認知症になっても安心して暮らしていける」「認知症になっても大丈夫と言い合える」、そんな街を渋谷区が目指すことをアピールするイベントだ。

 先進的で「若者の街」というイメージの強い渋谷区だが、認知症とその予防に対して明確なビジョンを持ち、ソニーと組んで新しい試みにも積極的に取り組んでいる。渋谷区は認知症対策においても“最先端の街”となろうとしているのかもしれない。

コミュニケーションツールとして認知症予防に効果が期待されるaibo。「認知症なっても展」の会場には、aiboと触れ合えるコーナーも用意されている
コミュニケーションツールとして認知症予防に効果が期待されるaibo。「認知症なっても展」の会場には、aiboと触れ合えるコーナーも用意されている

(写真/稲垣 宗彦)