アンモナイトを思わせる形状の高級ヘアドライヤーが好調だ。性能と使いやすさが支持されて、発売から半年で2万台を売り上げた。シンプルでスタイリッシュなデザインによって男性にも人気が拡大している。

カドークオーラのヘアドライヤー「BD-E1」。カラーバリエーションは白と黒の2色
カドークオーラのヘアドライヤー「BD-E1」。カラーバリエーションは白と黒の2色

 理美容家電メーカー、カドークオーラ(東京・港)の高級ヘアドライヤー「BD-E1」が売れている。2万8000円(税別)と高額ながら、2018年12月10日の発売から半年ほどで約2万台を販売した。ネット通販のほか、ビックカメラや蔦屋家電といった量販店など販路は、約900にまで広がり、さらに販売数を伸ばす勢いだ。

 ヘアドライヤーは2000~4000円の価格帯が多く売れている。近年、2万円を超える高価格の商品をダイソンやパナソニック、リュミエリーナが販売し、美容意識の高い女性のニーズを開拓。高級ヘアドライヤーの市場を確立していた。そうした市場に、後発のBD-E1が食い込めたのはなぜか。

 秘密は、“プロ仕様”の使い勝手と誰にでも使いやすいデザインにある。カドークオーラは、空気清浄機などの家電メーカー、カドー(東京・港)と韓国SKグループのSK magicが、理美容家電の開発・販売を目的に設立した合弁会社。カドーの副社長で、同製品のデザインを手掛けた鈴木健氏は、「従来のヘアドライヤーは、形も色も一般の女性ユーザーを意識したものがほとんど。後発としてシェアを取るため、性別や年齢に関係なく使えて、美容のプロからも認められる製品を開発したかった」と話す。

 開発に際して、鈴木氏は自分が通う美容院のスタッフやフリーのヘアスタイリストにインタビューし、現状のヘアドライヤーに感じる不満や問題点をリサーチした。「美容院では髪を乾かすため、1人のスタッフが1日20人前後の客にヘアドライヤーを使用する。使用時間は、女性客で20分間、男性客で10分間ほど。合計すると相当の時間になり、ドライヤーの重みで腕が疲れるばかりか、けんしょう炎になることもある」(鈴木氏)。鈴木氏はまず、この課題を解決することが重要だと考えた。

美容院スタッフの不満を調査

 従来型ヘアドライヤーは、ハンドル部とノーズ部がL字型につながっている。ハンドル部には風を送るモーターが、ノーズ部には風を温めるヒーターが内蔵されている。ノーズ部分にかなりの重みがあり、持ったときのバランスが悪い。そのため使用時に左右に振ると、腕や手首に大きな負荷が掛かっていた。

 BD-E1では、モーターとヒーターを本体の円形部分に収納している。これによってノーズ部が不要になり、手首や腕にかかる負荷を大幅に軽減している。本体重量は約400グラム。重心がハンドルのほぼ真上にあるため、実際に持ってみると意外なほど軽く感じるし、左右に振っても腕に掛かる負荷は小さい。

カドークオーラの副社長/デザイナー、鈴木健氏。BD-E1のデザインを手掛けた
カドークオーラの副社長/デザイナー、鈴木健氏。BD-E1のデザインを手掛けた
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