縦長フォーマットを生かした、企業の活用事例

 IGTVはまだ提供開始から1年のため、YouTubeのコンテンツを使い回している企業もある。今のところIGTVならではの活用事例が目立つのはグローバル企業だが、国内でも感度の高い企業によるIGTVへの積極参加が見られる。

 ファッションブランド「Victoria's Secret(@victoriassecret)」は、ショーに登場するモデルたちに質問を投げかける「Runway Q&A」というシリーズをIGTV向けに制作している。華やかなショーが人気のVictoria's Secretだが、このシリーズではあえてモデルたちのカジュアルなシーンを撮影し、親近感を抱かせる演出を打ち出している。被写体との距離が近く感じられる縦長フォーマットをうまく生かした事例だ。

Victoria's SecretのIGTV。モデルへの一問一答を掲載するなど、親近感を抱かせる工夫がポイント
Victoria's SecretのIGTV。モデルへの一問一答を掲載するなど、親近感を抱かせる工夫がポイント

 国内企業では、身長150センチメートル前後の女性向け洋服ブランド「COHINA(@cohina.official)」の活用例が参考になる。販売している商品を身長の異なる女性に着せた動画を公開し、着用イメージを見せている。静止画より動画のほうが商品の素材やデザインを把握しやすく、何より縦長フォーマットが生きている。IGTVの画面をタップするとコメントが表示される。COHINAはそこに価格やセール情報、商品購入ページのURLを記入している。

COHINAのIGTV。画面をタップするとコメント欄が表示される
COHINAのIGTV。画面をタップするとコメント欄が表示される

 ドキュメンタリー番組専用チャンネル「National Geographic (@natgeo)」は同社が制作、放送している「Hostile Planet」という番組のメーキングを3分ほどに編集し、「Hostile Planet Behind the Scenes」として毎週IGTVに投稿している。IGTVとの相乗効果でさらに番組を楽しめる上、IGTVから番組への誘導もあり、プロモーションにつなげている。

メーキングを公開しているNational Geographic
メーキングを公開しているNational Geographic

 まとめると、IGTVに効果的なコンテンツのポイントは以下の3つだ。

(1)縦長フォーマット
縦長での視聴を想定するため、人物にフォーカスした動画が映える。

(2)カジュアルなコンテンツ
しっかりと作り込まれた内容よりも、親近感を持てる動画に向いているため、舞台裏や人物が普段見せないキャラクターを披露するようなコンテンツが適している。

(3)シリーズ化
IGTVはInstagramのアカウントページの「チャンネル」タブで動画が一覧表示されるため、共通のテーマでシリーズ化するとよい。固定ファンを獲得できるだけでなく、過去動画への閲覧も期待できる。

ファンを獲得するIGTVの活用法

 実際に自社でどんなコンテンツを作ればいいか検討するために、IGTVの仕様と対策を紹介する。

 動画の長さはIGTVは15分で、アカウントによって最長60分の動画を投稿できる。ただしInstagramによると、「1~4分ぐらいの長さが特にエンゲージメントが高い傾向にある」という。長いクリエイティブを投稿できるプラットフォームだからと張り切って長尺の動画を作るよりも、最適な長さで制作すべきだ。

 既存の横長動画を活用したい企業もあるだろう。サポートされたばかりの横長フォーマットなら、そのまま流用できる。スクエア動画は上下部分がぼけて表示される。横長に向いている動画はダンスやゲーム、またはスポーツなどのコンテンツ。縦長は人物やより没入感を強調したい被写体に適している。

 IGTVへの導線は、検索に関してはカテゴリーやキーワードでなく、アカウント名での検索となる。IGTVの動画はInstagramアカウントにひも付いている。つまりInstagramのファン(フォロワー)に向けて動画を見せることができる。

 IGTV成功の鍵は、Instagramのフィード、ストーリーズと相互にリンクし合い、組み合わせることだ。タッチポイントを増やすことでInstagramでの存在感を強調できる。ぜひチャレンジしてもらいたい。